昨年末以降、不倫疑惑や、今夏開館予定の「神戸新開地・喜楽館」名称をめぐる不正疑惑が報じられていた桂文枝(74)が29日、大阪市内で、騒動後初めて、報道陣に対応し「お騒がせしまして申し訳ありません」と謝罪した。今期で改選の上方落語協会会長職は任期を全うすると明言した。

 文枝をめぐっては、昨年末から今年にかけ、週刊誌に「56歳日舞の先生」との不倫疑惑、「喜楽館」名称公募に知人女性を介在させたとの疑惑が報じられていた。この日は、自身が会長を務める上方落語協会の寄席「天満天神繁昌亭」に、昨年末からの騒動後、初めて出演し取材に応じた。

 一連の騒動について、夫人の反応を聞くと「全然、大丈夫です」。夫人から怒られたかとの質問には「もちろん、怒られました」と言いつつも「よかったです」と笑みも浮かべた。

 昨年末からの不倫騒動は、文枝会長が、悲願としていた上方第2の演芸場「喜楽館」へも飛び火。しかし、同館を運営する「新開地まちづくりNPO」の高四代(たか・よんだい)理事長(70)は「選考過程に不正はない」とし、名称変更の可能性も否定。あくまでも文枝会長とともに開館を目指すと話している。

 文枝はこの「喜楽館」について「NPOさんと最大限協力し、いい劇場にするために頑張って盛り上げたい」と言い、2月以降に理事会、その後の改選までが任期の会長職も「もちろん全うします」と答えた。

 会長職について、文枝は「宣伝力も必要」との持論があり、笑福亭鶴瓶に打診したが「任にない」と辞退されるなどし、一昨年6月、歴代最長8期目に自身が再選され、今期で勇退を公言している。ただ、選挙は互選制で再選の可能性もあり、次選については「それはまだ。これから」と言葉を濁した。【村上久美子】