南米チリで歌手、女優として活躍するダニエラ・ヴェガ(28)が来日し、このほど日刊スポーツのインタビューに応じた。

 心と体の性が異なるトランスジェンダーであることを公表しているヴェガが、同じ境遇の男性を演じた主演映画「ナチュラルウーマン」は24日から公開される。

 「トランスジェンダーだから役には深く入り込めた。それだけに複雑な境遇を生き抜く『彼女』の強さ、プライドを演じるのはとても疲れる作業でした」

 恋人に先立たれた主人公は遺族から疎まれ、葬儀に参列することも許されない。「グロリアの青春」(13年)で知られる名匠セバスチャン・レリオ監督がヴェガの喜怒哀楽を引き出し、純愛映画に仕立てている。

 「両親に理解があったので10歳ごろから『本当の自分』を解放することができました。縦に長いチリは砂漠から南極まで気候は多彩だけど、社会はもっと多彩なものを受け入れるべき」

 劇中同様、芯の強さをにじませる。「ナチュラルウーマン」の次の作品では、ストレートな女性を演じる。

 「『私に』と仕事をいただけたら、たとえそれがどんな役でも、やるかやらないかを決めるのは私自身だと思っています。私は幅の広いアーティストなんですよ」と笑った。【相原斎】