乃木坂46生駒里奈(22)の卒業コンサートが22日、東京・日本武道館で開催された。

 アンコール「シャキイズム」披露後の生駒のスピーチ全文は以下の通り。

 最後にちょっとだけお話しさせてください。

 ここ1週間くらい、リハーサルのこととか、セットリストとか考えていて、寝られなくて。何を話そうかと考えれば考えるほど、頭痛が、激痛でした。人って何かを変えようとするのはこんなにもパワーがいるんだなと学びました。その時、ふと思ったことがあるんです。「卒業できる」ってすごいことなんだなと思いました。「ぽかーん」ですよね。だって、寂しいですもんね、学校とか職場とか卒業ってちょっと寂しいことじゃないですか。

 でも私が気付いたのは、15歳で何もできない素人が、16歳でデビューして、乃木坂46を7年やることができて、その中でたくさんの経験をしてきて、卒業ということまでやらせてくれたこの乃木坂46って本当にすごいと思いました。これからの人生のほうが長いんです。たった7年しかやっていないんです。なのに卒業という機会をくれたのは本当にすごいことだと思いました。

 なかなかできることではないです。こんなにすてきなメンバーに送られることはないと思うし、こんなにすてきな人に囲まれての卒業も、もうできないと思うんです。だから、これって本当にすごいことなんだなって思いました。

 振り返ると私はすごく変な子だったなと思います。「乃木どこ(乃木坂って、どこ?)」での初期の映像の声は自分でもビックリするくらい変な声でした。今はまだマイクに通る耳障りじゃない声に変化したと思っています。最初は猫背でがに股でした。ちょっとはO脚だけど、びっしり立っているつもりです。スカートを履くのも恥ずかしかったけど、今はこんなに見ている人がいるのにターンもできます(実際にターンして見せる)。変化したんです。この7年間で。こんなに人って変われることが出来るんだなって、乃木坂46で教えていただいたことです。

 オーディションのチラシをくれたのはお父さんでした。お父さんが大きなきっかけでした。合格しました。真ん中になりました。やっぱり秋元康さんてすごい人だと思いました。だってこんな子を真ん中に置いて、大事なデビューシングルをやらせるんです。すごいですよね。まさか、こうなるなんて自分でも思ってないですもん。見いだしてもらえたんだなと思います。私だけじゃなく、メンバー1人1人が。多才なメンバーもいました。人前に出るのが苦手な子もいました。でも今は、立派な先輩にもなっているし、後輩にもなっています。心の底から、信頼できる仲間とこんなにたくさんの時間を過ごせたこと、私はすごくうれしいです。

 最初の握手会、すごく怖かったです。だって何を言われるか分からないし、初めての人との握手って、私からしたらビックリしました。だけど、そこは違いました。こんな自分をこんなに褒めてくれる人なんて、こんなにいないですよ。うれしかった。だから、がんばろうって思えた。ありがとうございます。

 ただの素人をここまで育ててくれたスタッフのみなさん、お父さんよりお母さんより、いろんな面を知っていると思います。赤の他人を面倒見てくれて本当にありがとうございます。本当にすごいことで、なかなかできることでないです。

 周りに尊敬できる人がいて、成長できることをたくさんもらったけど、それでも何よりもうまくなりたいと思ってしまった。もっともっと、険しい道を進みたい、登りたいと思った。すげ~わがままなことだと思います。こんなに充実しているのに、こんなにすごい場所にいるのに、この世界に夢を持ってしまった。その先に続く夢をつかみたいと思ってしまった。だからこそ、メンバーには自分もいつかそうなったときに胸を張って1人で仕事ができるところを見せてあげたい。

 お父さんとお母さんにはこれからも迷惑をかけると思うけど、いつか東京に家を建てるから待っていてください。スタッフのみなさんが「生駒にたくさん仕事あげたい」と思える人間になりたい。ファンのみなさんには、生駒ちゃんを見たときに、現実を忘れて心の底から楽しんでいただけるようなエンターテイナーになりたいと思います。