「池畑慎之介」の本名で俳優としても活動する歌手ピーター(65)が21日、来年から1~2年休養すると発表した。今年いっぱいで「『ピーター』のぬいぐるみを脱がせていただく」とし、「ピーター」としての活動を卒業することも宣言した。今の年齢でしかできないことをやり、パワー充電したいという。復帰後は「池畑慎之介」として再活動する意向で、「普通のオジサンに戻りたい」と冗談交じりにコメントした。

 15歳の時、映画「薔薇の葬列」で美少年を演じデビューしたピーターが、芸能生活50周年の節目に原点に返る決意をした。

 この日午前、事務所を通じてマスコミ各社に自筆のコメントを記したファクスを送信。その中で、「ピーター」卒業を明かした。「ピーター」の芸名はもとはあだ名で、「男の子? 女の子なの? ピーターパンみたいネ」という周囲の呼び名をそのまま芸名にした。一方で、85年に黒沢明監督の映画「乱」に出演した際、本名の「池畑慎之介」を俳優名とし、歌手・タレントの時の「ピーター」と使い分けてきた。

 しかし、50周年の節目となる今年いっぱいで「『ピーター』のぬいぐるみを脱がせていただく事にしました」と卒業を明言。60歳を過ぎて「断捨離」を行う中「死ぬまでにやりたいこと100」を作り、実現する度に1つ1つ消してきた。

 しかし、関西テレビ「報道ランナー」、東海テレビ「スイッチ!」、BSフジ「水前寺清子情報館」、鹿児島テレビ「ピーターかごしま旅」と4本のレギュラーを持つ中、「もうひとりの自分が、そろそろ『ピーター』を休ませてあげなよ!! とささやいています」とし、「今この年齢でしか出来ない事を悔いなきよう残りの人生を歩みたい」と心境を明かした。

 休養中は欧州をレンタカーで回ったり、英語を勉強したりするという。休養後は「池畑慎之介」として再び活動する意向で、「絶対に無理だと思いますが…『普通のオジサンに戻りたい!?』(爆)」と締めくくった。

 この日午後、日本テレビ系「ミヤネ屋」に生出演し「何をしたらいいかが分からない。それを見極める1、2年にしたい」と話した。司会宮根誠司から「戻ってこないことは、ないよね」と聞かれると「それはない。芸能が好きだから。池畑慎之介として帰ってきます」と即答。「本当は池畑慎之介として演歌をやりたい。本当は演歌人間なのよ」と、新たな可能性も口にした。

 ◆ピーター 本名池畑慎之介(いけはた・しんのすけ)。1952年(昭27)8月8日、大阪府生まれ。父は上方舞吉村流家元で、3歳から舞踊の舞台に立つ。69年に映画「薔薇の葬列」でデビュー。同年「夜と朝のあいだに」で日本レコード大賞最優秀新人賞を受賞し、中性的な魅力のアイドルとして人気を得る。85年に黒沢明監督「乱」に出演。以降、舞台俳優としての活動も多い。167センチ。