歌手前川清(69)が24日、故郷の長崎・佐世保市の「アルカスSASEBO」で、芸能生活50周年記念全国ツアーの佐世保公演を行った。

 公演前には、卒業以来、57年ぶりに母校・山手小(山本一臣校長)を訪問。運動会の練習をしている後輩児童243人を激励した。「前川さんも足が速かったんだ。歌っていなかったらオリンピックに出たかも。みんなも頑張って!」。

 訪問のお礼として、児童らが校歌を歌ってくれると「声が大きいし、声が伸びるのがうらやましい」と感激。「子供たちに力をもらいました」と力を込めた。同校は今年が創立80周年。来年の記念イベントには「自分も参加してぜひ歌いたい」と協力を申し出ていた。

 16日には50周年記念曲「初恋 Love in fall」を発売した。友人のコピーライター糸井重里氏(69)と35年ぶりにタッグを組んだ勝負曲だ。自身の初恋も小5の時だったという。「高橋みちこさんで、学級副委員長で頭が良かった。遠くから見ていただけの片思いだったけど、憧れの女性でした」と明かした。

 13年に62歳で亡くなった元妻・藤圭子さんの長女宇多田ヒカル(35)が6月27日に発売するアルバムのタイトルも同じ「初恋」だ。「偶然だけどビックリした。一緒のヒットというのは無理だろうけど、足もとくらいのヒットにはしたい」と意欲を見せた。

 この日は昼夜2公演に約4000人を動員。おなじみの、右手にマイクを握った直立不動の姿勢で、デビュー曲「長崎は今日も雨だった」「そして、神戸」や新曲「初恋」など計20曲を披露した。歌手の長男紘樹(32)次女侑那(26)との共演で会場を盛り上げた。

 8月19日には古希を迎えるが「これから1年でも長く歌っていきたい」。紅白出場29回を誇り、佐世保観光名誉大使を務める前川が、故郷で“生涯歌手”を誓った。