フジテレビは14日、世界市場を視野に入れた全10話の連続ドラマ「The Window」を欧州最大の公共放送局ドイツZDFと共同制作することを発表した。英国を代表する脚本家ジェームス・ペイン氏が脚本を執筆する。日本と欧州の放送局がグローバル展開を視野に入れた連続ドラマを手掛けるのは史上初となる。現在、日本人女優のオーディションを計画、ハリウッドのキャストも起用する。来年完成の予定。

 「The Window」は、イングランドサッカーのプレミアリーグ終幕とともに始まる10週間の選手の移籍市場“トランスファー・ウィンドウ”にスポットをあてたドラマ。サッカー選手、エージェント、クラブオーナー、ジャーナリスト、そして世界中の投資家たちによる、巨万の富と名声を求めた暗躍に焦点を当てる。熾烈(しれつ)な10週間を舞台に世界中が息をのんで見つめる巨額契約が、国際陰謀へと昇華していく様を描く。

 近年、「24」「プリズン・ブレイク」「ウオーキング・デッド」など北米発の大型連続ドラマが、国境や文化を超えて全世界に視聴者を作り出している。フジテレビは、こうした世界的な需要を見越して、世界的知名度を持つキャストの力を掛け合わせ、日本発のグローバル・ドラマ制作に乗り出す。

 フジテレビの大多亮常務(59)は「新たな動画配信テクノロジーの到来によって、連続ドラマの市場は、過去に類のない国境を越えた“黄金時代”を迎えています。我々のグローバル戦略を一新し、フジテレビのドラマ制作のDNAを欧州のパートナーたちと共有し、日本発のドラマをグローバルにヒットさせる挑戦と考えています。世界中のサッカーを愛する人々、そしてドラマを愛する人々に、楽しんで頂ける作品になると確信しています」と話している。

 ZDFの子会社ZDFエンタープライズのロバート・フランク副社長は「『The Window』は、権力の物語をサッカーの世界で描く。善と悪との境界があいまいな世界で、成功を勝ち取るために、意思と野望を兼ね持つ登場人物たちが絡み合い、融合します。ぜひご期待ください」と話している。