歌手の坂井一郎(56)が21日、大阪市内で、新曲「男の日記帳」発売記念のスペシャルライブを行った。

 一昨年に患った大病からの復帰となる舞台だったが、元気な姿をファンの前で披露。笑いあり涙ありのステージで、完全復活を印象づけた。

 終盤、「男の-」のカップリング曲「灯り」では感極まった。歌詞には「真っ暗闇でのたうちまわり」「あなたが居たから生きられた」など、苦しい闘病生活や、支えてくれた人たちへの感謝の念をうかがわせるフレーズがちりばめられている。歌う坂井の目が潤み、声は震えた。

 歌い終わると、ハンカチで涙をぬぐい「ごめん、泣いてもうた!」。それまでギャグ満載、笑いにあふれたステージを繰り広げていたが、こみ上げる感情を抑えきれなかった。

 アンコールでは、この日2度目の「男の日記帳」を歌った。新しい1ページを刻んでいこうという前向きな思いにあふれた楽曲だ。「みなさんに心配をかけ、応援していただいた結果、こうして戻ってくることができました。この曲で2年分のブランクを埋めたい」。ステージから宣言する姿には生きる喜び、歌う喜びにあふれていた。