吉本興業の大崎洋社長(64)は2日、都内で、同社と北海道下川町が、国連が定めたSDGs(持続可能な開発のためのグローバル目標)推進における連携協定を結んだことを発表した。

 プロジェクト“下川町株式会社”を発足させて、森林総合開発や笑いでの町おこし、特産物のPRなどを行っていく。

 下川町は北海道北部にある人口3400人の町で、65歳以上が総人口に占める高齢化率が39%の小規模過疎地域。町の90%を占める森林資源を利用した町作りで第1回「ジャパンSDGアワード」のSDGs推進本部長賞(内閣総理大臣賞)を受賞。吉本興業は47都道府県の「住みます芸人」など笑いで地方創生に貢献して同アワードのSDGsパートナーシップ賞(特別賞)を受賞している。両者が協力し合って、下川町の魅力を発信していく。

 あいさつに立った大崎社長は「サウナのただ券をもらいました」と、下川町関係者からのプレゼントを明かしてニッコリ。すかさず司会を務めた、お笑いコンビ千鳥のノブ(38)が「ちゃんとした会見ですから」と突っ込むと、大崎社長は「こんな若い子にも言われるんですから」とぼやいた。

 下川町は夏は気温30度、冬はマイナス30度と、寒暖差が60度もあり、トマト、トド松から作ったアロマオイルなどが名産。また、スキージャンプのジュニアの育成に熱心なことで知られ、長野五輪団体金メダルの岡部孝信(47)やソチ五輪ラージヒル銀メダルのレジェンド葛西紀明(46)など、五輪選手を輩出している。VTRであいさつした葛西は「自分の出身の下川町と吉本が協力するなんてすごい。ジャンプをやめたら、いつか吉本興業の芸人にさせてください」。すかさず、千鳥の大悟(38)が「住みます芸人から」と突っ込んだ。

 この日が72歳の誕生日の西川きよしは「吉本にお世話になって54年。最初は吉本新喜劇の通行人からやらせてもらいました。まさか、吉本興業が、世のため人のためになるようになったとは…。ぜひ、下川町に行ってみたい。小さなことからコツコツと! 頑張ります」。そして葛西に対して「ジャンプをやめたらオールバックにして黒いメガネを掛けてください。そして、一緒に『やすしきよし』をやりたい」と、96年に亡くなった横山やすしさん(享年51)と組んだ名漫才コンビの再現を呼び掛けた。