お笑いコンビ、カラテカの矢部太郎(41)が21日、東京・新宿シネマカリテで映画「バンクシーを盗んだ男」(マルコ・プロゼルピオ監督、8月4日公開)ジャパンプレミア記念トークショーに出席した。

 正体不明の世界的グラフィック・アーティスト、バンクシーがもたらす影響力に迫るドキュメンタリー作品。この日、バンクシー好きの矢部と、ライターで翻訳家の鈴木沓子氏がトークイベントを行った。

 映画で、バンクシーはパレスチナとイスラエルの分離壁にグラフィックアートを描く。矢部は02年、日本テレビ系で放送されていたバラエティー番組「電波少年」の企画で同所を訪れたことを振り返り、「パレスチナとイスラエルの兵士を笑わせようという企画で。銃を装備した人の前で、ネタをやらされました」。緊張のあまり、何を披露したのか覚えておらず、結果も「苦笑いみたいな感じでしたね。でも、パレスチナの人の方が笑ってくれました」と話した。

 社会風刺的な作品が多いことで知られるバンクシー。「自分が覆面アーティストだとしたら、どこに何の絵を描きたいか」と聞かれると、矢部は「新宿の吉本興業本社を真っ白に塗りたいです」。意図を聞かれると、「白に塗ることで、この会社は本当に真っ白なのかと考えて欲しい」と観客にメッセージ? を投げかけて笑わせた。「黒? いや、淡いグレー? 真っ黒に塗るのはヤバイですね…」と最後まで悩んでいる様子だった。