2020年東京オリンピック(五輪)を記録する公式映画の監督が23日、カンヌ国際映画祭などで受賞歴がある河瀬直美氏(49)に決まった。この日、大会組織委員会が発表し、同監督も会見。64年東京五輪では故市川崑監督がメガホンを執り、1950万人を動員する大ヒットとなった。

◆64年版の映画「東京オリンピック」 65年3月公開。黒沢明監督の降板で、市川崑監督に白羽の矢が立った。本来筋書きのないはずのスポーツを対象に、夫人の和田夏十さん、脚本家の白坂依志夫氏と、詩人の谷川俊太郎氏とともに、緻密なシナリオを用意した。2時間50分の作品。公開年のカンヌ映画祭で国際批評家賞を受賞。動員1950万人は、01年のアニメ映画「千と千尋の神隠し」に抜かれるまで、36年間観客動員1位を守った。アニメを除く実写映画では現在でも断然の1位で、動員数には、各地の学校や公民館での上映が一部含まれていないため、実質上の観客動員は「不動の1位」ともいわれる。