NHKは24日、12月1日に本放送がスタートする「BS8K」で、同日午後1時10分からSF映画の金字塔「2001年宇宙の旅」(68年、スタンリー・キューブリック監督)を世界で初めて8K放送すると発表した。

「2001年宇宙の旅」は、当時35ミリフィルムが主流だった映画界において、巨大なスクリーンで上映するため、最高クオリティーの70ミリフィルムで撮影された作品。4Kを超える情報量を有し、8K並みのクオリティーを持つものの、現在70ミリフィルムを上映できる環境は非常に限られ、本来のポテンシャルで見る機会がほぼなくなっている。

同作の世界初の8K放送を呼び掛けたNHKに、作品を管理しているワーナーブラザースが応えて実現した。オリジナルネガを8Kスキャンし、本来の臨場感を家庭で楽しめることになった。漆黒の宇宙空間や、謎の物体モノリス、極彩色のクライマックスなど、作業チームも思わず息をのんだという。

定例会見を行った木田幸紀放送総局長は「放送業界、映像世界、視聴者に大きな貢献ができると思う。過去の財産に新しい命を吹き込むことができるのが楽しみ」と話した。

来年3月には、同じく当時70ミリフィルムで撮影された「マイ・フェア・レディ」を8K放送する予定。