東京・新宿歌舞伎町の老舗ホストクラブ「愛」グループの創業者で「ホストの帝王」こと愛田武さんが25日午前3時すぎ、都内の病院で亡くなった。78歳。この日、長男の愛田孝さんが自身のインスタグラムで「本日、父が亡くなりました」と報告。すでに弟が亡くなっており、「愛田武の血をひいた人は僕だけになりました」とつづった。

愛田さんはホスト界をリードしてきた、業界のカリスマ的存在だった。人気ホストだった愛田さんが71年に開店した「クラブ愛」は豪華な内装に、タレントとしてもテレビに出演するイケメンホストを集めた。深夜に長い行列ができるほどの人気で、愛田さんもバラエティー番組に引っ張りだこになるなど、ホストブームをけん引した。

ヒゲとメガネをトレードマークに裸一貫からホスト界の帝王に成り上がった半生は、映画やドラマにもなり、02年には「ホスト王が明かすいい女の法則」という著書も出版。社長を務めた愛田観光は最盛期に4店舗でホスト約300人を抱え、年商は20億円を超えたという。

しかし、酒好きもあって、11年に脳梗塞で倒れ、その後も脳梗塞を2回発症した。そのため、14年に引退したが、後継者争いなどもあって、財産の大半を失ったとされ、晩年は高齢者向け介護施設で過ごしていたという。関係者によると、今年9月ごろから体調も悪化していたという。