今年で芸能生活50周年を迎えた落語家月亭八方(70)が26日、大阪・なんばグランド花月(NGK)で、「月亭八方落語誘笑会」の記念公演を開催した。

68年に当時の2代目桂小米朝(故月亭可朝さん)に入門してから50年。節目の年に、11年からNGKで定期開催している同会を今年は全6都市で公演。8月18日の名古屋を皮切りに東京、徳島、兵庫を回った。本公演の後は、12月16日のタイ・バンコクで締める。

友情出演の太鼓奏者、木村優一氏らによる「六甲おろし」の出ばやしで登場し、40年前のものだという縦じまのタイガースの羽織姿で登場。これまでのいろんな仕事で今があると振り返り「(自分は)非常に運のある男」と感謝した。

続けて、前日25日のプロ野球ドラフト会議に話題を振り「それに比べ、矢野(燿大監督)はほんまに運の無い男。昨日、つくづく思いました」と愛あるダメ出し。重複で2度クジを外した矢野監督に「右手で引いてダメ。左手で引いてダメ。あとは口でくわえるしかないんじゃないか」と、タイガース愛の強さゆえの嘆き節が止まらない。

それでも、阪神を「心の故郷」「私にとっては、魂みたいなもの」と語り尽くせぬ愛で表現し「矢野さんには頑張ってもらいたい」とエールを送った。

阪神が重複で外した藤原恭大や中日1位の根尾昂ら4人が指名された大阪桐蔭には「プロ級ですよ。野球は9人でするんですよ」とその強さに感服。甲子園春夏連覇を成し遂げたスター軍団を「なんで阪神は(大阪桐蔭を)買収しなかったのか。阪神は大阪桐蔭を乗っ取るしか方法はないんじゃないか」とここでも“八方節”で笑わせ、今季最下位に沈んだチームを八方らしく鼓舞した。

一方、芸能生活を振り返っては、今年3月に亡くなった可朝さんから指南されたという「芸人は、ばくち、酒、女」というハチャメチャな教えを述懐。「波の中で泳いでいると、足腰が鍛えられる。少々のことでは驚かんようになる」と感謝し、古典落語「親子酒」「胴乱の幸助」の2席を披露した。

また、記念を祝うべく歌舞伎役者市川笑三郎、ザ・ぼんちのぼんちおさむ、西川きよし、息子の月亭八光ら弟子11人が登場。さらには、交流のある藤山直美と掛布雅之氏からもお祝いのメッセージが届いた。

フィナーレでは、八方が感謝を伝えたいと夫人をサプライズでステージに呼び込み「ありがとう」と感謝を伝えた。涙を見せる夫人に花束を渡す八方に、満員の会場からは2人に惜しみない拍手が送られた。