ジャズピアニストや作曲家として活躍した前田憲男(まえだ・のりお)さん(本名・暢人=のぶひと)が25日午後8時13分、肺炎のため都内の病院で亡くなったことが27日、分かった。83歳だった。

関係者によると、10月上旬に食事が取れなくなり検査入院。11月に退院予定も、肺炎を起こし、近親者にみとられて亡くなった。体調を崩す直前まで、ジャズライブや編曲の仕事を行っていた。入院中は何度も「仕事に戻りたい」と言い、病床でも編曲の仕事を行っていたという。通夜は12月4日午後6時から、葬儀・告別式は翌5日午前11時から東京・青山葬儀所で営まれる。喪主は長男憲一郎(けんいちろう)氏。

独学でピアノを学び、高校卒業後にピアニストとして活動開始。多くのジャズバンドに在籍した。自らリーダーを務める「前田憲男とウインドブレイカーズ」を結成したほか、羽田健太郎、佐藤允彦とピアノトリオを組むなど、幅広く活躍した。「原信夫とシャープス&フラッツ」などへの楽曲提供やアレンジでも知られたほか、テレビ番組「11PM」に出演。「題名のない音楽会」にも携わった。大阪芸術大教授も務めた。