宝塚歌劇団の花組トップ明日海(あすみ)りおが明日30日、あこがれの千葉・舞浜アンフィシアターで、スペシャルステージ「Delight Holiday」の初日を迎える。東京ディズニーリゾートにあるホール。5組最長トップにとって、初の本格コンサートは12月9日まで。

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黒地の柄シャツ。ミッキーマウスが描かれていた。「意識を」と照れ笑い。宝塚歌劇初の舞浜公演だ。

「駅に着いた瞬間、ワクワクするような場所で、高揚感もある。その先により楽しいものがある」

稽古場の雰囲気は「大変ノリノリです」。クリスマス、ディズニーソングから、「平成」のヒットソングを元年から今年までメドレーで歌う。「プリンセス・プリンセスから『U.S.A』(DA PUMP)まで」。平成のヒット曲とともに成長してきた。

「前半は母が好きで聴いていた曲。幼い頃を思い出します」。中学時代、小遣いをため、好きな歌手のCDを買い、コンサートへ行った思い出もよみがえる。

「自分でチケットをとって、友達と浜崎あゆみさんのコンサートへ。ステージまですごく遠かった。でも生で声を聴ける、その空間にいられるのが何よりうれしくて。塾へ行くまで、バレエの帰り、おなかがすいたり、のどが渇いたときに-と、もらったお小遣いをためてCDを買いました。いい思い出です」

途中、知らない平成ソングもあった。「あ、この頃、宝塚音楽学校に入ったんだなって(笑い)」。芸事、心身磨きに専心した時代を経て「最近の曲はまた(分かる)」とほほ笑んだ。

月組時代からの代表作楽曲を2パターンに分け、日替わりで歌唱。バウ主演作「アリスの恋人」「春の雪」や、宝塚大劇場でセンターに立った「ロミオとジュリエット」「エリザベート」も披露する。平成の移ろいには「本名の自分から芸名の自分が生まれた。大人になった」と表現した。

花組へ移り、トップ就任から丸4年半となった。

「こんな役も似合うのか-。そう思っていただけるようなサプライズを。それだけの物を感じさせないと。とどまっていられない」

玄米食、苦手な豆乳も飲み、むくみ対策で塩分を控え、カリウム摂取にも努める。「健康には留意しすぎて、何が効いているのか分からない(笑い)。でも、細部まで(留意)しないと」。まだまだトップロードを駆ける。【村上久美子】

◆スペシャルステージ「Delight Holiday」(作・演出=稲葉太地氏) 「ホリデーシーズン」がテーマの場面を中心に、客席一体となって構成。舞浜アンフィシアターでは宝塚初公演。日替わりでAパターンは「アリスの恋人」(11年バウ主演)「エリザベート-愛と死の輪舞(ロンド)-」(14年トップ本拠地お披露目)、Bパターンは「春の雪」(12年バウ主演)「ロミオとジュリエット」(12年準トップ役代わり主演)。