28日に肝不全で亡くなったコラムニスト勝谷誠彦さん(享年57)の告別式が29日、地元尼崎市内で行われ、約300人が別れを惜しんだ。

喪主を務めた弟友宏さん(53)は「太く短く生き抜いて、兄は悔いはないと思っております」。棺には、昨年7月に出馬した兵庫県知事選で使用したTシャツやのぼりなどが入れられ、最後まで愛したお酒から高級酒「獺祭」で唇をぬらしたという。

公式サイトで連載していた小説「天国のいちばん底」は未完のまま。友宏さんは「できれば途中まででも良いので、どこか(の編集社)で刊行していただけたら」。遺骨については両親の墓に入れる予定だが、兄からは「散骨してくれ」「自衛隊の艦隊からまいてくれ」などと言われていたと明かし「なかなかそういうわけにもいかないが、できる範囲で少しは考えたい」と話した。

この日は番組共演などを機に親交があったハイヒール・リンゴ(57)や、勝谷さんが週刊文春時代に上司であった編集者の花田紀凱氏(76)らが参列。知事選で戦った井戸敏三兵庫県知事、親交のあった辻元清美衆議院議員らから弔電が送られた。

出棺の際には「勝谷さん!ありがとう!」などと声がかけられた。

10年にわたって付き添ってきた担当マネジャーは、勝谷さんの遺品や嗜好(しこう)品などを集めた記念館のような場所を設けたいという意見が、友人らから挙がっているとも吐露した。

ジャーナリストとして海外取材に行った際のプレスパスやガスマスク、防弾チョッキから、蔵書や写真、趣味でコレクションしていたアンモナイトなどの岩石までが候補だといい「(親族らと)話をしながら、みんなが来て遊べるような所はやりたい」。

勝谷さんとも長い間、同構想の話をしていたそうで、勝谷さんはうれしそうに「どうせ(お前が)館長やって、金取るんやろ(笑い)」などのやりとりをしていたという。場所は友人らでにぎわった自宅のある長野県内を考えているとした。

辛口コメンテーターとして活躍していた勝谷さん。出演していた「胸いっぱいサミット!」(毎週土曜正午、関西ローカル)を制作するカンテレによると、12月8日の同番組生放送内で、名シーンや発言などを集めた追悼コーナーが設ける予定だという。