宝塚歌劇団の各組トップら、スターが一堂に会する年に1度の「タカラヅカスペシャル2018」が21日、大阪・梅田芸術劇場で開幕した。東京宝塚劇場で上演中の組をのぞく4組トップと、劇団理事の専科スター轟悠(とどろき・ゆう)らが集う年末恒例の今公演。今年は「平成」最後の公演となり、平成の30年間にスポットを当てつつ、2018年を振り返った。

今夏、今秋は全国各地で災害が続き、9月4日には台風21号が関西地区を襲い、宝塚大劇場は95年の阪神大震災以来、23年ぶりの休演となった。

この日の公演は、轟が「台風や地震が相次ぎ、被害に遭われました方に、心からお見舞い申し上げます」と切りだし、スタート。花組トップ明日海(あすみ)りおは「タカラジェンヌにとって、休演というのは、心痛い1年でしたが、皆さまの変わらぬ声援のおかげをもちまして、やってこられました」と言い、ファンに感謝した。

花組は今年、東京ディズニーリゾートにある「舞浜アンフィシアター」で、宝塚歌劇のステージを初上演。主演した明日海は、今月9日に千秋楽を迎えており、特徴的な円形ステージに触れ「お客様が後ろにいらっしゃるので、お尻とか、引き締まってないと恥ずかしい感じでした」と言い、笑わせた。

今春の大劇場公演で、落語の大ネタ「地獄八景亡者戯(じごくばっけいもうじゃのたわむれ)」をもとにした異色作に主演した星組トップ紅(くれない)ゆずるは「ほとんど全員が死んでいる落語ミュージカルでした」。来年1月1日からは新年最初の大劇場作主演を控え、大阪出身のトップらしく、明日海に負けじと「あと10日後に初日…今何やってんだか…です。ここに居ても立ってもいられないのが本心でございます」と笑わせた。

今年2月の本拠地作ショー「BADDY」で、サングラス姿でたばこの煙をふかせながら大階段に立つ挑戦作に臨んだ月組トップ珠城(たまき)りょうは「今年は挑戦の1年でした」と言い、前トップ娘役愛希(まなき)れいかの退団で、新たに相手役に迎えた新トップ娘役美園さくらとの初コンビを披露した。

また、轟を迎えた「凱旋門」、来年1月の東京宝塚劇場上演作「ファントム」と、大作が続いた雪組トップ望海風斗(のぞみ・ふうと)は「フランスづいていた1年で、もう、本当に、フランスのことなら何でも聞いてって感じです」と言い、客席から笑いを誘っていた。

公演は22日まで同劇場で行われる。