シンガー・ソングライター米津玄師(よねづ・けんし=27)が大みそかのNHK紅白歌合戦に白組で初出場することが25日、分かった。地元・徳島県からの中継で出演し、今年大ヒットした「Lemon」を歌う予定。テレビでの歌唱及び生出演は初めてとなる。

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本番まで1週間を切った段階で、最後の紅白の目玉が決まった。

歌唱予定曲「Lemon」は今年を代表する楽曲の1つになった。ミュージックビデオ累計再生回数は2億4000万回以上。CDは39万枚以上を売り上げた。ダウンロード数は200万以上を超え、オリコン年間デジタルランキング1位を獲得した。NHKは若い世代を中心に、幅広い世代から支持されている米津に、出場者選考開始当初から出場をオファー。先月の出場者発表後も、出場交渉をギリギリまで続けてきた。

テレビのインタビューやVTR出演はあったが、テレビでの歌唱及び生出演は初めて。関係者は「本来であれば、出演する予定はございませんでしたが、NHK側から粘り強い交渉で、『米津玄師の出身地である徳島からの生中継』というご提案をいただき、急きょではありますが、出演させていただく運びとなりました」と話している。紅白で徳島県からの生中継は史上初となる。

「Lemon」は、石原さとみ(32)が主演した1月期のTBS系連続ドラマ「アンナチュラル」の主題歌に書き下ろした楽曲。ドラマの根底にある「死」をテーマに制作を進める中、昨年12月に祖父が亡くなった。かわいがってくれた祖父の死に直面したこともあって「あなたがいなくなって悲しい」という気持ちを吐露するような楽曲に仕上げた。

所属レコード会社は紅白出場を決めた理由を「祖父の他界から1年となる12月の大みそかに、自身の故郷、そして、祖父が生きていた徳島で、この曲を歌うことの意味を感じることができたため、このたびのオファーを受けさせていただくという結論に達しました」と説明している。

 

◆米津玄師(よねづ・けんし)本名同じ。1991年(平3)3月10日、徳島県出身。09年は「ハチ」名義で動画サイトにオリジナル曲を投稿開始し、国内外から注目される。12年に本名の米津玄師名義でアルバムを発表。14年6月に初ライブを開催。今年「<NHK>2020応援ソング」として、小学生5人組ユニット「Foolin」が歌う楽曲「パプリカ」をプロデュース。