昨年12月30日に東京・新国立劇場で行われた第60回日本レコード大賞を取材した。乃木坂46が「シンクロニシティ」で大賞を2年連続受賞で終了したが、つくりの凝ったセットに驚かされた。

今回のステージは両サイドにオーケストラのゾーンを配置し、それがマイナス、プラスマイナス0、プラスの3段階に高さが可動。マイナスになるとステージ下にオーケストラが移動しステージ中央が浮いた道のように見える。プラスマイナス0では、オーケストラと中央部分が同じ高さになり通常のステージ。プラスではオーケストラ部分が上昇し、巨大なモニターが出現するというものだった。

60回記念ということで、ステージにも力が入ったのだろうが、豪華なセットでレコ大に花を添えた。関係者によると、89年まで放送されたTBS音楽番組「ザ・ベストテン」を担当していたベテランの制作スタッフが考案したものだといい、TBSが長年培ってきた技術の集大成ともいえるステージだったという。

普段のテレビ番組のセットも同様でさまざまな工夫がこらされているという。どうしても、アーティストやタレントばかりに目がいくが、セットやステージのつくりをじっくり見てみるのもテレビの楽しみ方のひとつかもしれない。