日本の芸能界で隆盛を極めるジャニーズ事務所のタレントの中で、嵐が最も稼ぐことは誰もが認めるところだ。オリコンによると、CDやDVDのトータルセールスは昨年は約67億円、17年は約108億円を売り上げた。これに、230万人ものファンクラブをはじめ、ドームを満員にするライブ興行やグッズ販売、CM契約や各種出演料を加算すると、今、日本で最も稼ぐグループであることが分かる。

約2年の猶予があるとはいえ、21年にはこの売り上げのかなりが減額となる。それが分かりながら、事務所が活動休止を認めたのは、一連のSMAP騒動の反省があったのではないかと、個人的には思う。

99年9月に結成された嵐は20周年を迎えた。トップアイドルとして常に人の目にさらされる生活の苦悩は想像に難くない。若いうちはアイドルになりきれても、年齢を重ねるうちに自身とのギャップが生まれるからだ。さらに、結婚などプライベートの制約も重荷になるだろうし、グループの場合は個人差も生む。これらすべてを解消するマネジメントも難しい。5人の方向性が分かれることは当たり前で、SMAP解散のきっかけも、これだったように思う。

担当記者に聞くと、嵐メンバーの仲の良さは定評があるという。それでも、事務所側が無理に活動継続を強行すると、メンバー離反の可能性もあったのだろう。だからこそ、解散というファンにとっては最悪の事態を防ぐ方法が、今回の活動休止だったように思う。

ロックバンドならば活動休止からの活動再開は珍しくもない。嵐のメンバーにも、それぞれの個人活動を納得した上で、グループとしての活動再開を望みたい。【芸能デスク・竹村章】