NHKが28日、同局で2020年度前期連続テレビ小説の制作発表会見を開いた。タイトルは「エール」。高校野球の「栄冠は君に輝く」を作曲した古関裕而さん夫婦を描く。ドラマでの役名は古山裕一で、主演は俳優の窪田正孝(30)が務める。

NHKが配布した資料によると「銀行に勤める福島の青年と豊橋に住む女学生が、文通で愛をはぐくみ、電撃結婚。音楽によって強く結ばれた2人は、戦前、戦中、戦後を生き抜き、多くの名曲を生み出す」とし、「少し気弱な夫と、たくましい妻が織りなす珍騒動。そこに愉快な仲間たちが次々と加わります。苦難を乗り越え、笑いと涙の中で生まれる珠玉のメロディー-それは激動の時代を生きる人々への“エール”となって日本中に響き渡るのです」とされている。

以下、物語の内容

日本が生糸輸出量世界一となった明治42年、急速に近代化が進む福島の老舗呉服店に、待望の男の子が誕生する。のちに多くの名曲を生み出すことになる天才作曲家・古山裕一である。

老舗の跡取りとして育てられた裕一だが、少々ぼんやりしていて、周りには取りえがない子どもだと思われていた。しかし音楽に出会うと、その喜びに目覚め、独学で作曲の才能を開花させていく。青年になった裕一は家族に内緒で海外の作曲コンクールに応募。このことが裕一の運命を変えてしまう。なんと応募した曲が上位入賞したのだ。そしてそれをきっかけに、裕一は歌手を目指しているという女学生と知り合う。福島と豊橋-遠く離れた地に住みながらも音楽に導かれるように出会った2人は、結婚。上京すると2人には個性豊かな人々との出会いが待っていた。そして不遇の時代を乗り越え二人三脚で数々のヒット曲を生み出していく。

しかし、時代は戦争へ突入し、裕一は軍の要請で戦時歌謡を作曲することに。自分が作った歌を歌って戦死していく若者の姿に心を痛める裕一…。

戦後、混乱の中でも復興に向かう日本。古山夫妻は、傷ついた人々の心を音楽の力で勇気づけようと、新しい時代の音楽を奏でていく。