タカラジェンヌを育成する宝塚音楽学校105期生の卒業式が1日、兵庫県宝塚市の同校で行われ、異例づくしの卒業式となった。

一昨年春に入学し、予科、本科と2年にわたり、レッスンを重ねてきた105期生の首席は、アメリカ人を父に持つハーバート真唯(まい=兵庫県神戸市)さん。娘役志望のハーバートさんは、2月の卒業公演「105期生文化祭」でもソロで歌う場面が複数回あり、歌唱力にも秀でている。この日は、卒業生総代として答辞をよんだ。

答辞は情感たっぷりに同期との絆を強調した。105期生は、無遅刻で完全出席の「特別皆勤賞」表彰者が40人中24人もおり、2年間にわたり技術とともに、仲間と舞台を築き上げる心も鍛えられたようだ。

式典後には、同期生がそろっての写真撮影があり、毎年恒例の風景だが、ここでも異例の展開になった。40人が一斉に「やる気 元気 105期」とかけ声をそろえて、一斉に笑顔の花を咲かせた。

例年、粛々と進められる行事中も、40人からは笑い声が絶えず。105期生には、熱さでしられるスポーツキャスター松岡修造の長女、恵さんもおり、修造に負けない“熱い絆”で結ばれているようだ。

式典後、ハーバートさんと、男役志望の葦沢咲(あしざわ・さき=東京都府中市)さん、娘役志望の土山はる奈(北海道札幌市)さん、男役志望の田中愛梨(兵庫県西宮市)さんの成績上位4人が取材に応対した。

ハーバートさんは、昨年退団した元月組トップ娘役愛希(まなき)れいかをあこがれにあげ「愛希さんのようなキレのあるダンスができて、努力もできて、謙虚さを持つ舞台人になりたい」。元宙組トップ朝夏まなとにあこがれる葦沢さんは「ダイナミックで繊細でさわやかな男役になりたい」と目を輝かせた。

土山さんは花組の次期トップ娘役が内定している華優希(はな・ゆうき)を目標にし「かわいらしく華やかな娘役に」、田中さんは退団公演の開幕を控える月組スター美弥るりかがあこがれの存在だといい「見ていただいたお客様を舞台に引き込めるような舞台人になりたい」と誓った。

ハキハキと答えていく4人に、撮影時の「やる気 元気 105期」のかけ声の意図を聞くと、4人は「先生からも私たち105期は『やる気、元気がある』と言っていただき、キャッチフレーズになりました」。けれん味のない笑顔で声をそろえていた。

105期生40人は、4月19日に宝塚大劇場で開幕する宙組公演「オーシャンズ11」で初舞台を踏む。