「オリビアを聴きながら」の杏里が6日に、新曲3曲を同時配信する。デビュー40周年記念プロジェクトで、「Duke,s Anthem(デュークにささげる歌)~星空のどこかで~」、「Crescent Moon(三日月)」、「忘れられない贈り物」の3曲。

昨年10月に米ロサンゼルスで録音された。演奏はすべて名ドラマーのスティーブ・ガット(73)が率いるスティーブ・ガット・バンド。2月上旬発表の第61回グラミー賞でジャズ部門の「ベスト・コンテンポラリー・インステゥルメンタル・アルバム」を受賞した。さらにエンジニアのディヴィッド・ライツァス氏も、これまでに多数の同賞を獲得している。

「Duke,s-」は、13年に死去した名ピアニスト、ジョージ・デューク氏(享年67)のために、音楽仲間だった同バンドのトランペット奏者ウォルト・ファウラーが作曲した。ジャズを基調にしたフュージョンのインステゥルメンタル(楽器演奏曲)である。約3年前に知人を介して、日本語で歌わないか、という話があり、杏里が歌詞を乗せた。

杏里 デュークさんにささげる思いを残しつつ、私はグローバルを意識し、みんなの歌にしたかった。今はユーチューブや配信などボーダーレス。世界中の人がきっとどこかでこの曲をキャッチしてくれるかもしれない。ただの恋愛曲ではない、大人の、落ち着いた歌詞にしました。

3曲とも愛、絆、出会いと別れの思いを込めた。ジャジーなテイストと、杏里の代名詞の、都会的で洗練されたシティ・ポップの香りが漂う。

デビュー曲「オリビアを聴きながら」は78年11月5日に発表された。それから40年。常にグローバルを意識してきた。

杏里 40年やって来て、今までの音楽は何点ですかと聞かれたら、多分、100点超えていますね。ただ、自分の中では満足していません。音楽に対するハングリー精神をなくしたら、私のクリエーターとしてのプライドが止まってしまう。時代とともにいいものをつくりたいという思いは、これからも変わりません。40年を機にシフトをニュートラルにして、自分のやりたい音楽、質の高い音楽をつくっていきたいです。

昨年8月に発表した40周年記念アルバム「ANRI」も、そんな思いの詰まった作品群だった。3月中旬から、新曲やアルバム収録曲を堪能できるライブ「ANRI with #bestbuddies(最高の仲間の意) 2」を東名阪で行う。15日が名古屋ブルーノート。22、23日がビルボード東京。29、30日はビルボード大阪。夏にはコンサートツアーも開催予定で、40周年を迎えた杏里にますます注目である。