歌手の和田アキ子(68)が9日、レギュラーラジオ番組で、7日(日本時間8日)に88歳で亡くなった覆面プロレスラー、ザ・デストロイヤー(本名リチャード・ベイヤー)さんとの思い出を語った。

和田はニッポン放送「ゴッドアフタヌーンアッコのいいかげんに1000回」(土曜午前11時)の生放送で、デストロイヤーさんの訃報が紹介されると「デストロイヤーはね、『うわさのチャンネル』で、なかなか日本語うまくしゃべれなかったのにね。よく頑張ってしゃべってくれて」と回想した。

「『お姉ちゃん、むまし(まむし)!』って。バカヤロウって殴ってたのよ、ハリセンで。『むまし、へび、へび』って。長いセンテンスだとあんまりしゃべれなくて」と、デストロイヤーさんが日本語に苦労した秘話とともに、「朝10時からリハーサルするんですけど、それからずっとつきあってね」と努力家ぶりも語った。

デストロイヤーさんの麻布十番の自宅での食事にも、せんだみつおらと度々招かれ、素顔で歓待されたという。「ドアあけて、(出てきた男性が)『どうも、こんばんは』って言うから、おじいちゃんだと思って。『ここです』なんて言いながらね。デストロイヤーは(と聞いたら)『私』って。全然分からなかった。おじいちゃんだから」と素顔のエピソードを明かした。

デストロイヤーさんの必殺技、足4の字固めをかけられたことがあるか、とのリスナーの質問には、「私は(かけられたこと)ないんですよ。私はデスにナイショで『もっと強く、ストロング、ストロング』」と、(ゲストらに対し)技を強くかけるよう加担していたと告白。「徳光(和夫)さんが、よくかけられていた。床をたたくとギブアップなんですよ。たたくと(デストロイヤーさんに)『もっともっと』と」と悪ノリしたら、当時局アナだった徳光さんが「てめえ、コノヤロー」とついにキレたという。

和田はデストロイヤーさんについて「キュートだったけどなあ。2年半くらい前に対談したんだけど、私のことをすごく良く言ってくれて。『(成功は)アコのおかげだ、アコのおかげだ』と。ニューヨークのアポロ(公演)もきてくれて。本当にご冥福をお祈りします」と、あらためて故人をしのんだ。

デストロイヤーさんと和田は、日本テレビ系で73年から79年に放送されたバラエティー「金曜10時!うわさのチャンネル!!」で共演。「アコのゴッド姉ちゃん」のコーナーは、和田がガキ大将的な役、せんだみつおとデストロイヤーさんがその仲間として掛け合った。デストロイヤーさんは、和田の苦手なへびを投げつけたり、せんだや徳光和夫アナらに足4の字固めをかけるなど、名物コーナーだった。「ゴッド姉ちゃん」はその後、和田の代名詞となった。