放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会は11日、俳優細川茂樹(47)が、17年12月にTBS系「新・情報7daysニュースキャスター」で名誉侵害などがあったと訴えた申し立てについて、番組には「放送倫理上問題がある」との見解を発表した。名誉毀損(きそん)の正否は判断しなかった。

同番組の17年の芸能ニュースを振り返るコーナーで、細川と所属事務所との契約問題について「パワハラを理由に契約解除を告げられた細川茂樹さん。今年5月、契約終了という形で表舞台から姿を消した」と報じた。細川は東京地裁の仮処分で事務所側の主張に理由がないことが明白であるにもかかわらず、番組で細川のパワハラが契約解除の原因だと強調したと主張していた。

BPOは「本件仮処分決定に言及しなかった結果、当事者の主張が食い違う争点・トラブルの事案を扱う際に特に求められる公平・公正性及び正確性を欠いた」と指摘。その上でTBSに対し「『言葉足らず』であったと反省を示しているが、その背景には何があるか、検証が求められる」とした。

TBSは「見解を真摯(しんし)に受け止め、今後の番組作りに生かしていく」とコメントを出した