コカインを摂取したとして、麻薬取締法違反(使用)の疑いで逮捕されたミュージシャンで俳優のピエール瀧こと瀧正則容疑者(51)が、逮捕までの数日以内にコカインを摂取した可能性が高いことが13日、関東信越厚生局麻薬取締部への取材で分かった。また、ストローのような形状に丸められた韓国のウォン紙幣を使用し、コカインを鼻から吸引した疑いもある。

麻薬取締部によると、ストローのような形状に細く丸められたウォン紙幣が見つかったのは、瀧容疑者の自宅にある本人の部屋だった。コカインを鼻から吸引した際に使用された疑いがあり、同部では紙幣にコカインが付着していないかどうか鑑定を進めるとともに、入手経路や使用状況を調べている。

ストローや丸めた紙幣などを使い、コカインの粉末を鼻から吸引する使用法は「スニッフィング」と呼ばれる。また、尿検査をした結果、コカインの陽性反応が検出されており、同部では、逮捕までの数時間から数日以内に摂取した可能性が高いとみている。

関係者によると、同部では瀧容疑者が薬物を使用しているとの情報をもとにして、昨秋ごろから長期間、慎重に内偵捜査を進めてきたという。これまでの捜索で自宅や車を家宅捜索しているが、コカインを含む薬物は見つかっていないといい、携帯電話などの押収品の分析を進めている。

麻薬取締部は12日午後6時すぎ、自宅や車を家宅捜索。任意同行を求め尿を調べると陽性反応が出たため、同11時ごろ逮捕した。逮捕時の言動に不審な点はなかった。13日午前3時半ごろ、取締部が入る東京都千代田区の庁舎から、留置先の警視庁東京湾岸署に瀧容疑者を移送。車の後部座席に座り、眼鏡にフード付きの上着姿で、うつむいたまま目を閉じていた。逮捕容疑は12日ごろ、東京都内や周辺でコカイン若干量を摂取した疑い。「間違いありません」と容疑を認めている。