4人組ピアノPOPバンド「Official髭男dism(オフィシャルヒゲダンディズム)」の新曲「宿命」が2日、ABCテレビ「夏の高校野球応援ソング」とテレビ朝日系「熱闘甲子園テーマソング」に決まった。

作詞作曲を担当したボーカル藤原聡(27)は「心の底からわき出す思いで作った応援歌です。この歌とともに戦ってくれたら本当にうれしい」。藤原とベース楢崎誠(30)は高校時代にブラスバンド部に所属し、高校球児を応援した経験がある。

楽曲の制作に先立ち、4人は今春の選抜高校野球大会をアルプスで観戦した。「宿命」について藤原は「生まれ持った運命という意味がありますが、宿命とは『自分で背負うもの』だと思っています。球児たちは『絶対に甲子園に出るんだ』『優勝するんだ』という思いを、チームのみんなで宿命として背負っていて、目標に向かってひたむきにがんばっている。春のセンバツを観戦したときに、そんな印象を強く受けたので、球児たちが背負ってる宿命をたたえて、応援したいという思いで曲を作りました」と込めた思いを明かした。

「宿命」が完成後の5月下旬、4人は甲子園球場のグラウンドにも立った。小学校時代に野球部で白球を追いかけた経験のあるギター担当の小笹大輔(25)は「甲子園のグラウンドに立つような人生になるとは思わなかった(笑い)」と感慨深げに話し、球児の聖地について「僕らの地元である島根には、出雲大社というパワースポットがありますが、そこに近いような荘厳なものを感じますね」と神妙に語った。

バンドは12年に島根大と松江高専の卒業生が集まり、松江市で結成。18年にフジテレビ系ドラマ「コンフィデンスマンJP」の主題歌「ノーダウト」でメジャーデビューした。今年5月には映画「コンフィデンスマンJP」の主題歌となる2ndシングル「Pretender」をリリースした。

バンド名には「ひげの似合う歳になっても、誰もがワクワクするような音楽をこのメンバーでずっと続けて行きたい」という思いが込められている。

「宿命」はポップなメロディーと藤原のソウルフルな歌唱法が印象深い楽曲だ。藤原は「全球児を心の底から応援しています」。「ヒゲダン」の夏も始まる。