大麻取締法違反(所持)の罪で起訴されていた元KAT-TUNメンバー田口淳之介被告(33)が土下座で謝罪した。

7日、勾留先の東京・湾岸署から16日ぶりに保釈された。署の前で約20秒間、地面に頭を付けてファンや関係者に謝罪。当面の芸能活動休止も宣言した。

田口被告と内縁関係にあり、同容疑で起訴されている元女優の小嶺麗奈被告(38)も同日、田口被告と別々に保釈されたが、報道対応はしなかった。

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午後7時20分過ぎ、田口被告は黒のネクタイにスーツ姿で署の正面玄関から出てきた。送検時のようにメガネは着用していなかった。声を張り上げるように1分半ほど謝罪の言葉を並べた後だった。突如、コンクリートの地面に座り込み、額をたたきつけるような勢いで「申し訳ありませんでした」と土下座。約20秒間、両手をつき、ひざまずいたまま動かない。ファンとみられる男性から「ガンバレ~」と声が飛んだ。

5月22日の逮捕から16日ぶりの保釈。田口被告は背筋をピンと伸ばし、最初に神妙な表情で一礼すると、報道陣を見渡し「このたびは私が起こしました事件で皆様にご心配をおかけし、誠に申し訳ございません」と、再び一礼した。

続いて「金輪際、大麻などの違法薬物、そして犯罪に手を染めないことをここに誓います。しばらくの間、私自身の芸能活動は休止とさせていただきますが、しっかり更生し、罪をつぐない、一日でも早く皆様からのご信頼を取り戻せるように必死に生きてまいります」と引退は否定。「どうか、これからも皆様のご指導鞭撻(べんたつ)のほど、なにとぞよろしくお願い申し上げます」と訴え、土下座の行動につながった。

保釈は小嶺被告が先だった。田口被告が保釈される15分前の午後7時5分ごろ、同署の地下駐車場から裏門を通り、黒のワンボックス車に乗って署を出た。田口被告とは対照的に、布で隠された後部座席から姿を見せることなく、報道陣に対応もしなかった。保釈金はそれぞれ300万円。

田口被告を乗せた黒いワンボックス車はその後、都内のホテルに入った。小嶺被告の行き先は不明だ。

起訴状によると、2人は5月22日、同居する東京・世田谷区のマンションで乾燥大麻約2・2グラムを所持した。関東信越厚生局麻薬取締部に同日、現行犯逮捕された。捜査関係者によると小嶺容疑者は逮捕当初は「大麻は自分だけのもの」と供述していたが、その後、田口被告と同様「2人のものだった」と供述した。

姉御肌の小嶺被告が2人の関係をリードしてきたが、今回は所属事務所代表取締役でもある田口被告が謝罪を1人で担った。共犯関係にあることから、保釈後は証拠隠滅の可能性もあり、直接会うことのみならず、メールや電話で連絡を取り合うことも許されない。

土下座を終えた直後、報道陣から小嶺被告との今後の関係を問われたが、口をつぐんだまま車に乗り込んだ。大麻の誘惑を断ち切るためにも、内縁関係に終止符が打たれるのだろうか。【大井義明】