俳優阿部サダヲ(49)が主演を務めるNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺」(日曜午後8時)第2部が30日からスタートする。

演じるのは64年の東京オリンピック(五輪)招致に尽力した新聞記者の田畑政治。水泳指導者でもある。せっかちで早口なキャラ設定だ。阿部が第2部のスタートを前に見どころを語った。

阿部 嘉納治五郎さん(役所広司)のせりふに「彼は口がいだてんだな」というのがあるんです。史実では早口で、何を言っているか分からない人だったらしい。でも、何を言っているか分からないと視聴者が離れる。考えるより先に口に出るようなところを出せるといいなと思っています。

役作りはどうしているのか。

阿部 歩くのが速いとか自分の書いた字も読めないような人で、料亭でごはんを食べた後、必ず、自分の靴じゃない人の靴を履いて帰る人だったらしい。多分、ずっと違うことを考えているんだと思う。動きについては、一連でやることが多いんです。たばこに火をつけて、即座に逆さにして熱いと言ったり。アスリートのような気持ちでやっています。

ズバリ、2部の見どころはどんな点か。

阿部 1部と違うのは五輪選手が増えたところ。ロス五輪でメダルをものすごく取るんですけど、そのお祭り具合とか、選手が楽しんでいるシーンはいいなと思います。それって五輪ならでは。選手も世界に通用するようになっているから自信がついている。ただ、さすがの田畑もヒトラーさんにだけはびびってました。皆さんが知っている五輪の名シーンも出ます。

明るさが1部と違うようだが、64年の田畑から20年の五輪へつながれる意識はどんなものだろうか。

阿部 重なりますよね。お祭りは始まるとすごく盛り上がる。日本人は乗ってくるとすごい。お祭りが好き。盛り上がる気がする。楽しみにしている競技は、やはり水泳を見たいです。入場とか気になる。ブルーインパルスに飛んでほしい。

現場で大河の主役としてどんな姿勢でいようと心がけているのか。

阿部 とりあえずおそろいのジャージーを作りました。あとは松重さんにはもっと差し入れをしろと言われています(笑い)。

視聴者にはどう楽しんでもらうつもりか。

阿部 スポーツを通して明るくなれるというのはすごく伝えたい。暗くなりそうな時代だからこそ、こういうスポーツとかお祭りみたいなことをやって、明るくなる。スポーツは見ているだけで話し合えて明るくなれる。

第2部の初回となる30日放送の第25回の試写を見たが、とにかくパワフルで明るい田畑に圧倒された。第1部とは全く違う作品のように明るい雰囲気。視聴率も明るい方向に向かう気がする。