マドンナが26日、新曲「God Control」のミュージック・ビデオを発表。2016年にフロリダ州のナイトクラブで起きた銃乱射事件の様子を、32秒間にわたり再現しており、あまりの生々しさに被害者らから非難の声があがっているという。

米情報サイトTMZなどがビデオを公開しているが、銃撃犯がクラブ内で乱射するシーンから始まり、ダンスフロアに血を流し倒れている大勢の若者たちの姿がフラッシュバックしていく。

マドンナは米ピープル誌インタビューで、「米国内でコントロール不能になっている大量銃撃事件のまん延について、批判する意味でビデオを製作した」と語っている。

ビデオは、2016年、フロリダ州のゲイ・ナイトクラブで発生し、49人の死者を出したオーランド銃乱射事件をもとにしたとみられているが、同事件の被害者で生き残った人々の間で非難の声があがっている。ある女性はTMZに、「あまりにもショッキングで見るに耐えない。被害者たちを暗い場所に引き戻す」と非難。

また、ある男性は、マドンナがビデオを製作し、事件を批判する姿勢には賛同するものの、犠牲者や遺族に接触を図ることもなく、ビデオの中で死亡者たちに対する追悼のコメントも一切なかったと批判している。(ニューヨーク=鹿目直子)