年商1000億円、グループ会社も合わせるとそれ以上と言われるジャニーズ事務所。そのカリスマ社長が亡くなり、芸能界最大のエンタメ集団はどうなるのか。日刊スポーツでは、今日10日から緊急連載「ジャニーズ王国の未来」をスタート。第1回は、ジャニー氏と滝沢秀明氏(37)の“相思相愛”の絆をテーマに、ジャニーズ王国の未来に迫る。

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昨年末をもって芸能活動を引退した滝沢氏が、ジャニー氏の後継者となる。今年1月にジャニーズ事務所の100%子会社「株式会社ジャニーズアイランド」の社長に就任。主に、ジャニーズJr.の育成やプロデュースを担っており、「ジャニーズイズム」を受け継いでいく。

ジャニー氏は、ジャニーズJr.時代から滝沢氏に大きな期待を寄せてきた。黄金時代が到来したジャニーズJr.のまとめ役を任せ、当時からタレントプロデュースや育成のいろはを学ばせた。99年に後輩にあたる嵐のメンバーを決める際も、ジャニー氏は滝沢氏に相談したという。その後も、Jr.オーディションの面接を任せたり、期待されているJr.メンバーたちと一緒にファミレスで食事をさせたりしている。

親しい関係者は「直接口には出しませんでしたが、昔からジャニーさんは、滝沢が自分の後継者になってくれないだろうか、と期待していたのかもしれません」と話す。デビュー後も「滝沢歌舞伎」などの舞台演出を任せ、経験を積ませた。昨年9月、滝沢氏が引退と裏方に専念することを明かした際、ジャニー氏は喜びのコメントを発表した。ジャニーズ事務所の公式サイトにジャニー氏のコメントが掲載されるのは異例のことだった。

「今般、滝沢秀明がタレントとしての経験と知識を生かし、『ジャニーズJr.たちの育成で、ジャニーさんを手伝いたい』と言ってくれた時、私は驚きとともにうれしくて涙がこぼれそうでした。このような決断をしてくれた滝沢には心より感謝しています」

“愛弟子”の決断を受けて、喜びはひとしおだったことだろう。

滝沢氏は昨年、タレント活動をしながら育成もする「プレイングマネジャー」案をジャニーさんから提示されたが、「生半可な気持ちではできない」と引退を決断した。親しい関係者は「ずっと近くでジャニーさんを見ていた滝沢氏だからこそ、ジャニーさんの体調の変化も感じていたのかもしれない」と話す。家業を息子に継がせたいと考えるおやじに、息子が自ら名乗りを上げたと表現したら、言い過ぎだろうか。「小さなジャニーさん」と呼ばれてきた滝沢氏が後継者となるのは、必然だったのかもしれない。【特別取材班】

◆滝沢秀明(たきざわ・ひであき)1982年(昭57)3月29日、東京都生まれ。95年ジャニーズ事務所入り。02年タッキー&翼としてCDデビュー。ドラマはTBS系「魔女の条件」やNHK大河「義経」など。169センチ。血液型A。