80年代の日本ハードロック・ヘビーメタルシーンをけん引したバンド「プレゼンス」が、一夜限りの復活を果たした。同じくシーンを彩った先輩バンド「アースシェイカー」のボーカリスト、マーシーこと西田昌史(60)の還暦記念ライブでのことだった。

プレゼンスは、西川茂(ボーカル)白田一秀(ギター)恩田快人(ベース)岡本浩明(ドラム)の4人で87年、メジャーデビューしている。今回の公演では、ドラムを五十嵐公太が担当したが、恩田と五十嵐は、JUDY AND MARYの「リズム隊」だっただけに、この復活劇も感動的だった。

80年代の日本ハードロック・ヘビーメタルシーンは、その多くが大阪のバンドだった。当時ドラムをやっていた自分にとっては神的存在だった樋口宗孝さんが在籍したラウドネスを筆頭に、アースシェイカーや44マグナムなどの多くのバンドが大阪発信だった。

彼らを輩出したのがライブハウス「バハマ」(現在閉館)だ。同所でアースシェイカーとプレゼンスは先輩後輩だった。恩田が「初めて行ったバハマのライブがアースシェイカーで、MCまで覚えている。もう40年前ですよ。その時からアースシェイカーのフォロワーで『アースシェイカーに続け!』って頑張った」と興奮気味に話していたのが印象的だった。

一夜限りの復活は、マーシーによる「茂、プレゼンスで歌って」の一言で実現した。西川は「マーシーさんに言われたら、やらないわけにはいかないでしょう」と笑っていた。アースシェイカーとプレゼンスの絆を感じた夜だった。

また、このライブはちょうどJUDY AND MARY再結成報道が出た直後でもあった。ライブ終了後、早々に会場を後にしていた五十嵐には話を聞くことができなかったが、恩田には経緯を聞くことができた。だが、記事にしないことが条件だった。恩田の了解を得られれば、いつか記事にしたい。【川田和博】