10代向け雑誌「Popteen」カリスマモデルとして活動し、昨年卒業した女優越智ゆらの(20)が映画初単独主演を務めることが25日、分かった。4編オムニバス映画「おかざき恋愛四鏡」(来年公開)のうち2編で主演する。

うち1編の「うわさのわれわれ」では、会社では真面目ながら、イケメンに恋する私生活では、うわさにまどわされたり、毒舌を吐いたりする、裏表のある会社員役。越智自身は感情表現がストレートなタイプと自己分析し「これまで真面目で物静かな役が多かったけど、また違う役。自分から遠い役を演じるのは楽しい」と、芽生え始めている女優魂を刺激された。

「はちみつイズム」では、喫茶店でバイトしながら漫画家デビューを目指す女子役。「夢見がちな女の子。キャピキャピ、という感じなので、自分に近くてやりやすかった。よし、楽しんでやるぞ、という感じでした」とニッコリ。「自分も日頃から魔法だったり神様だったりを信じているタイプなので、自分の好きなモノだったり夢を信じて疑わないところが、主人公と似ているなと思いました」。

越智はそういうと、自分が実際にかけた“魔法”も告白。「雨降っている時に『晴れろ!』って本気で思うと、晴れるんです。今回の撮影日がほぼ雨予報だったんですけど、全部晴れた」と笑顔で話した。

「はちみつ~」では越智らしいガーリーな衣装も披露する。「妖精か、みたいな(笑い)。雑誌に出ているときはガーリーな私服で、そこを好きになってくださったファンの方も多かった。最近20歳を越えて落ち着いちゃったんで。かわいい格好をまた見たい、という言葉をいただいていたんです。その皆さんが求めているラブリーな私はそこにいると思います」とアピール。モデル出身らしく、撮影中はスタイルに人一倍、気を使ったようで「1週間くらい前から晩ご飯を制限したり、ロケ弁を食べずに撮影後にサラダを食べていたら、必然的にヘルシーになって、撮影中にやせました」。とはいえ、まだまだ成長途中。「撮影が全部終わったら友達と焼き肉食べました」とオチもつけた。

共演で、ドラマ「相棒」などに出演した神保悟志(56)からは、役者としての金言を得たという。「キャラクターを自分で考えて自分のモノにする。誰かの役者さんだったり、誰かのマネをしてたらお芝居はできないから、自分で作るんだよ、ということを教えていただいた」と、真剣なまなざしで語った。

Popteenでは10代のカリスマモデルとして、計65万人以上のSNSフォロワーを獲得している越智。ただ、今後は「お芝居の方がやりたい気持ちは強いです」と話す。主演映画について「『うわさ』と『はちみつ』でかなり違うので、どの世代の方にも楽しんでいただけると思います。『はちみつイズム』は特に女性の方に楽しんでいただける。衣装とか小道具に監督さんがこだわってくださって、かわいく作りこまれている作品。『うわさのわれわれ』は、女心や男心、出てくる全員の内面が出てくる、1人1人が際だってくる作品なので、女の子ってこう思っているんだ、と男性の方にも楽しんでいただけると思います」と話した。

女優業に対しての迷いも消えたという。「お芝居は自分じゃない女優さんでもできる。今までは、自分じゃなきゃいけない、という感じがなくて、そこにう~ん、という気持ちがあったんですが、今は、自分じゃなくてもできるからこそ、自分にしかできないお芝居を考えるのが楽しいと思えるようになった。モデルとは全く違う、求められているものを自分で探すのが楽しくなった」。今作が越智の女優人生の大きなステップとなるかもしれない。

4編すべて、愛知・岡崎ロケで撮影され、ほか共演は小越勇輝ら。来年公開に先駆け、11月29日からイオンシネマ岡崎で先行公開予定。