宝塚歌劇団の元月組トップスター瀬奈じゅん(45)が26日、大阪市内で、松本白鸚が主演して初演50年のミュージカル「ラ・マンチャの男」取材会に出席した。

瀬奈は、松本演じるドン・キホーテが「想い姫」と慕うアルドンザ役を演じる。15年には同じ宝塚出身の霧矢大夢(きりや・ひろむ=44)が同役に臨んでおり、霧矢は「大丈夫と言ってくれた」という。

7月から稽古は始まったが、白鸚も参加して本格化するのは8月からだといい「50年演じることは、簡単には言い表せないですが、すごいこと」。楽曲が男役キーを生かしたすごみのある場面から、裏声を使った音階まであり幅広く、白鸚から「最初から飛ばしすぎないように」とアドバイスももらった。

白鸚はさらに、歌舞伎とミュージカルでも声の出し方が違うことなどを教えてくれたそうで「情感をしっかり入れながら、力加減も考えて、その辺りもしっかりできるようにしたい。稽古ではどうしても力が入ってしまう」。本番までにその力加減を調整していく。

退団から10年を迎え、自身の前作「細雪」を機に「やっと、ちゃんと女優になれたかな」と感じたそうだ。女優として「さあ、これから」という時期に、今作に出合った。「とにかく役に生きようと思います」と話す表情は穏やかで、充実した日々を物語る。

実生活では特別養子縁組で子供を迎えており「子供と一緒に歌うのも楽しいし、ソフトに声を出し、軽く歌うので、違いますね」。ただ、ちょうど「今がイヤイヤ期」だと明かし「昨日もとにかく泣きやまない。でも、その光景を見て笑っちゃって。この人生経験も女優として生きると思います」と話していた。

公演は、大阪・フェスティバルホールで9月7~12日、宮城・東京エレクトロンホール宮城で9月21~23日、愛知県芸術劇場大ホールは9月27~29日、東京・帝国劇場で10月4~27日に上演される。