NHKの定例会見が7日、都内の同局で行われた。来年春にスタートする連続テレビ小説「エール」(主演窪田正孝)の脚本家林宏司氏が途中交代する異例の事態について、制作局幹部は「制作過程の詳細については回答を控えたい」と語った。

林氏と演出家ら制作陣の間で、物語の方向性や構成などの考え方に違いが生じたとも伝えられているが、「回答を控える」とした。撮影済みの放送回のオープニングに林氏の名前をクレジットするかについては「現在、権利のやりとりをしているところで、回答を控える」。損害賠償については「今のところ検討していない」とした。

作品は林氏の脚本ですでに9月にクランクインしており、異例の途中交代となる。林氏に代わり、清水友佳子氏、嶋田うれ葉氏の両脚本家と、番組スタッフが執筆することが発表されている。交代理由については「制作上の都合により」としていた。

「エール」は、高校野球全国大会の行進曲「栄冠は君に輝く」や、阪神タイガース応援歌「六甲おろし」などで知られる作曲家古関裕而氏をモデルに、音楽とともに生きた夫婦の物語を描く。主演は窪田正孝、妻役は二階堂ふみが演じる。

林氏は、NHKドラマ「ハゲタカ」のほか、フジテレビ「医龍1~3」「コード・ブルー~ドクターヘリ緊急救命~1、2」、テレビ朝日「アイムホーム」など数々の人気ドラマを手掛けた人気脚本家。