タカラジェンヌを養成する宝塚音楽学校108期生の合格発表が27日に行われ、40人があこがれの扉を開く切符を手にした。今年は、新型コロナウイルスの影響で恒例の受験番号学内掲示はなく、各自がホームページ上で発表された合格者番号を見て、学校へ集まるシステム。娘役志望の梶原捺(なつめ)さん(16=北海道)は「電車(の乗り継ぎ駅)で見て、飛び上がって喜びました」と笑顔を見せた。

梶原さんは、雪組トップ娘役の真彩希帆にあこがれ、昨年も受験しており、2回目で合格。昨年は、恒例の本科生による合格者掲示に、自分の番号はなく「今年もなかったら…とトラウマになりそうでした」。ただ、結果として今年は合格で、番号が掲示される予定だった。「合格なら…(掲示板で)見てみたかったですね」と話した。

試験は1次から3次まであり、面接に加え歌、ダンスなどで個々がアピールした。この日、発表後には例年通り、入学説明会などが開かれ、制服の採寸、寮の見学なども行われた。

密接な接触を避けるためか、3班にわかれて移動。音楽学校から寮へ移動する際には、先導の本科生に従い、合格者やその保護者らが整然と後に続いた。

今年は、感染拡大の影響で受験者は852人、競争率は21・3倍(昨年22・9倍)にとどまり、直近10年で最少となった。

合格者は予科、本科と2年にわたり、歌やダンス、芝居の技術面を学ぶことに加え、タカラジェンヌとしての素養も磨く。

入学式は4月17日に行われる予定。