18年ハイスクールマンザイで準優勝した函館のお笑いコンビ、ダブルグッチーの木戸口育未、水口勝心(かつみ=ともに18)が、東京に拠点を移しプロを目指す。高校生NO・1漫才師を決める同大会で18年から2年連続で決勝に進んだ実力派。今春から関東の大学に通いながら、次世代のスター芸人の夢を追う。

今は大学の再開まで函館市で待機し、上京できる日を待つ。東京では芸能事務所のオーディションに挑戦していく。「落ち着いたら(函館でも)ネタ合わせをしたい」と水口。霜降り明星、四千頭身ら若手が台頭する現状に、木戸口は「この波に乗り遅れてはいけない」。胸躍る大学生生活にも浮かれた様子はない。

ひねくれ者の木戸口とポンコツキャラの水口。幼なじみならではの絶妙なコンビネーションが笑いを誘う。コンビ結成は小学5年。お笑い番組が大好きな木戸口は何度も“相方”を替え、水口との漫才が一番しっくりきた。高校入学後、地元ラジオ局のパーソナリティーに合格。番組内で大会出場を宣言したことから本格的に漫才を始めた。

高校2年時に初出場したハイスクールマンザイで準優勝。予選を勝ち抜き、お笑いの聖地、大阪のなんばグランド花月(NGK)に立った。「訳の分からないまま進んだけど、ネタが受けてお笑いのとりこになった」と水口。優勝を逃し舞台袖で悔し泣きしていると、霜降り明星の粗品(27)が無言で肩をたたいてくれた。「粋だった。やっぱりお笑いっていいなと思った」と木戸口。将来へ本気で向き合いたいと感じた。

今のお笑い界を席巻する第7世代に遅れてはならない。ストイックな木戸口が「今は迷走中なので、早く新しい漫才のシステムを作らないと…」と焦る横で、水口は「嵐のファンなので『嵐にしやがれ』に出たい」。凸凹コンビが、お笑いの大海原へと飛び出す。

◆ダブルグッチー ボケの木戸口育未は2001年(平13)9月29日、ツッコミの水口勝心は同年8月23日生まれ。ともに函館市出身で、3月に函館稜北を卒業。小学5年の時にコンビを結成、クラスの担任から「ダブルグッチー」と命名される。好きな番組は木戸口が「水曜日のダウンタウン」、水口が「アメトーーク!」。

◆ハイスクールマンザイ 高校生漫才日本一を決める大会として、03年開始の「M-1甲子園」を改称し09年にスタート。出場資格は国内の高校在籍者で、年齢・性別・国籍は不問。2分以内の動画で応募する予選、全国6エリア8カ所で開催の準決勝を経て、8組が決勝で競う。昨年は681組1442人がエントリーし、オール阪神・巨人らが審査員を務めた。過去には霜降り明星の粗品が第1回大会で決勝に進出した。