TBS系「ぴったんこカン・カン」(金曜午後8時)で1日、新型コロナウイルスによる肺炎で亡くなった岡江久美子さん(享年63)が出演した11年11月18日の放送回を特別編集して放送した。

番組終盤、岡江さんとともに同局系「はなまるマーケット」で17年半司会を務めた薬丸裕英(54)が手紙を読み上げた。

<手紙全文>

岡江久美子様 毎年、お誕生日の時にお手紙を書いておりましたが、残念ながらこの手紙が、岡江さんに書く最後の手紙になるかもしれません。

4月24日夕刻、レギュラー番組の生放送の本番直前でした。岡江さんの訃報を楽屋のテレビで見て、一瞬、時間が止まり、震えが止まりませんでした。その後、経過した時間を覚えていませんし、思い出すことも出来ない程の衝撃でした。あの日から毎日、岡江さんのことを考えない日はありません。1996年9月30日、岡江さんと私の朝は変わりました。毎朝、お嬢さんのお弁当を作ってから局入りして、はなまるの生放送をマイペースで終えると、すぐに衣装を着替えて、メークを落とし、帰宅して掃除や洗濯、買い物や料理、全てをこなす完璧な主婦。ゆっくりしているのがとにかく苦手。せっかちで、どこにでも歩いていってしまう回遊魚のようなスーパー主婦。常にアンテナを張っていて、全ての情報を洗濯物のように取り込み、本番での失敗や日常の悩みも次の日には持ち越さないよう、心の掃除も忘れない満点主婦。時々こぼす愚痴や不満も全てユーモアに変えてしまう才能の持ち主でした。

きびきびしていて細かいことは気にしない岡江さんと、男のくせに慎重派で細かいことを気にする私。オバサンのようなオジサンとオジサンのようなオバサン…そんな不思議なコンビが視聴者の方々に支えられて、17年半も番組を続けることが出来ました。

番組終了後も、お食事やゴルフ、はなまるスタッフとの食事会など、楽しい時間を一緒に過ごさせていただきました。

その中でも、1番の思い出は岡江さんの還暦パーティーです。岡江さんには内緒で(長女の)美帆さん、お孫さんと企画したサプライズ誕生日会。岡江さん、喜んでくださいましたよね。私が用意した赤いバーキンのプレゼントケーキを見たときの驚きの表情とあの笑顔。今でも脳裏に焼き付いています。あれからたったの3年です。もう、あの岡江さんの笑顔を見ることが出来ないなんて悲しすぎます。4月25日、岡江さんが荼毘(だび)に付されると連絡があり、その時刻に青空を見上げ、手を合わせました。最後にお顔を見ることもできず、お見送りすることも許されない、こんな別れはつらすぎます。今でも信じられないし、信じたくないから、さよならは告げません。末筆になりますが、私からのお願いです。はなまるマーケットの岡江さんは、我々共演者やスタッフにとって太陽のような存在でした。だから、これからもずっと天国からみんなのことを照らし続けてください。お願いします。 はなまるマーケットというすてきな番組で、岡江さんとご一緒できたことを心より感謝しています。本当にありがとうございました。薬丸裕英