新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、新潟県長岡市の山古志小児童が、毎年行っている「小林幸子田」の田植えに参加しないことが8日、分かった。授業の一貫で実施してきた。

04年に発生した中越地震からの復興を願い、新潟出身の小林幸子(66)が、児童や地元主婦らと06年から続けている米作りで今年が15回目。山古志村長として復興に尽力した長島忠美元衆院議員(享年66)が、復興の遺志を継ぐ小林に土地を提供している。長島氏の久子夫人(67)は「コロナの影響で人が集まれない。今年は主婦仲間にも子どもたちにも声を掛けずに、5月下旬ごろに自分の家族だけで田植えをします」と説明する。

小林は「04年の中越地震後、新潟のそして、山古志の復興を願ってずっと続けてきた『小林幸子田』での田植え。今年は、地元の皆さんや小学生のみんなと一緒にやることがかなわなくなりました。毎年、成長していく子供たちや、地元のお母さんたちの笑顔を見ることが楽しみでした。でも、今は我慢の時ですね。秋には、コロナもきっと落ち着いて、山古志のあの田んぼで、みんなに会えることを願っています」と、秋の再会を期していた。

田の広さは約500平方メートルで毎年、約200キロ前後のコシヒカリが収穫されている。