毎秋、大阪・生国魂神社で行われる恒例の上方落語ファン感謝祭が5日、今年は新型コロナウイルスの影響で、オンラインで「デジタル彦八まつり」として開催され、YouTube繁昌亭チャンネルで生配信された。

落語家への質問、鼻歌クイズ、名物焼きうどんレシピの紹介などのコーナーが企画されている。上方落語協会会館や神戸新開地喜楽館などから中継も行う。

質問コーナーでは、接客業のファンから桂ざこば(72)に「客との会話に詰まることがあり、頭をどのように切り替えたら、師匠のように相手を飽きさせないマシンガントークができるか」という質問が寄せられ、進行の桂小春団治(62)がざこばに電話をした。

ざこばは「今までばーっとしゃべれてたけど、脳梗塞になったから。みんな分かってないようで言うけど、もう大丈夫って言うけど、ほんまは頭の中は大変やねん」。17年に脳梗塞で入院したことがあるざこばは、変わらない芸風? の裏にも苦労があると、自虐ネタで返した。

「自分の一番楽しいことを、この話題をぎょうさん持ってる…。これが出てこうへん…」とも漏らし、小春団治は「引き出し」と合いの手をを入れた。すると、ざこばは「引き出し! ぎょうさん持ってることを出していったらどうですか」と言い、質問者へアドバイスを送った。

午後6時30分からは大阪・天満天神繁昌亭夜席で、「彦八まつり30周年記念落語会」が行われる。ざこばは笑福亭鶴瓶(68)とトークを行う。

上方落語協会の笑福亭仁智会長(68)は朝席終わりに出演。「中止、延期になったのは残念やけど、この天気見たら、たこ焼き焼いてたら倒れるなと思う」と話した。

「第30回彦八まつり」は5、6日に開催予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、来年に延期となった。ただ、スタートから節目の30周年になることや、この日5日が6代目笑福亭松鶴さんの命日ということもあって、オンラインでの開催に至った。