コメディアン小松政夫さん(享年78)が肝細胞がんで亡くなったことを受け、タレント伊東四朗(83)が12日、都内で取材に応じ、盟友との思い出を振り返った。

小松さんと伊東は、76~78年に放送されたテレビ朝日系「みごろ!たべごろ!笑いごろ!」で共演。「しらけ鳥音頭」や「電線音頭」で親しまれた。コンビではなかったが、「でもなかなか気が合って2人をくっつける番組を作ってくれた」。当時コンビ結成に向けた話もあったと明かし、2人のコンビ名について「当時映画の『ジョーズ』が流行っていたので、『オジョーズ』なんて。結局は立ち消えになったけれど」と語った。

小松さんの才能について「異才と言っていい人」としみじみ。「あんなに世間の重箱の隅をつついてネタにする天才的な男、見たことなかったですね」とたたえた。「知らない、知らない」や「ニンドスハッカッカ」などのギャグについては「彼から解説を聞かないと、何なんだか。何だそれ? と聞いたら、『学校の先生の口癖だ』と。有無を言わせないおかしさがあった」と振り返った。

小松さんのダブルブッキングや泥酔に振り回された思い出も明かし、「事務所から『彼を行かせられないから、代わりに岸部シローを用意している』と。どう見ても代わりにはならない。徹夜して(台本を)書き直して。そういうこともありました」。伊東は「混沌(こんとん)とした時代だったけれど、それすら笑えなかったですね。人は笑うけど」と苦笑した。

伊東はこの日、レギュラーを務める文化放送「伊東四朗 吉田照美 親父・熱愛(パッション)」(土曜午後3時)に生出演。ゲストには、小松さんと一緒に「みごろ!-」で共演した元キャンディーズ伊藤蘭(65)が登場する。