歌手倖田来未(38)のデビュー20周年記念日にあたる6日、アリーナツアー「KODA KUMI 20th ANNIVERSARY TOUR 2020 MY NAME IS...」のファイナル公演を取材した。

コロナ禍以降では、日本のアーティスト初となったアリーナツアーだった。感染者数が増えている現在、開催できるか、ギリギリまで悩むことが多かったという。開催後も約2週間、感染者の報告がないか、常に緊張状態が続くと明かしていた。

ライブを開催するにあたり、新型コロナ対策は徹底していた。発声が伴い、飛沫(ひまつ)が飛ぶおそれのある、アンコールは無し。銀テープは各座席に置かれているなど、コロナ禍ならではの、対策が多く見られた。

ライブは中継もされたが、20年間、第一線で活躍し続けた倖田は「ライブって、お客さんの声援が合わさってライブになる。ナマに勝るものはないと思っている」と言い切った。世の中が新しい生活様式に移行していく中、「今までと同じ事をしてもあかんねんやろなあって、すごく考えさせられた」とも話した。

コロナ禍で多くの事に制約を強いられる中、先陣を切り、ライブを完走した。ツアーは4会場で8公演行われ、合計で4万4000人を動員。

観客は声を出せない分、ペンライトを両手に、跳びはねる者もいた。久しぶりのライブとなった人のなかには、感極まって涙を流すファンもいた。

そんな姿をステージ上で見た倖田は、20周年記念日にステージに立ち「なかなかその日にドンピシャで歌うっていうのは、歌いたくてもできない。いろんな軌跡だったり、ファンの皆さんの思いが重なって、実現したと思います。夢のようでした。最高の誕生日プレゼントをいただきました」と、感謝した。

暗いニュースが多い現代だが、ファンと歌手が協力すれば、ライブもできる可能性がある-。その姿を間近で取材することができ、幸せだった。【佐藤勝亮】