若き日の二宮和也(37)松本潤(37)と共演し、プライベートでも親交の深い俳優勝村政信(57)が2人との思い出、そして嵐の印象を語ります。31日をもってグループでの活動に区切りをつける嵐に、ゆかりのある人々がメッセージを送る連載「嵐を語ろう~Arashi talk~」の第3回です。

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二宮と最初に仕事をしたのはドラマ「熱烈的中華飯店」(03年)でしたね。まだ10代だったんじゃないかな。最初はぼくらオジサンはそんなに知らなかったですね。ただ、香港でロケをやって、二宮が少し遅れてきたのかな。そしたらお出迎えの女性たちがたくさんいて飛行場がパニックに。本人もびっくりしていましたけど、それが最初の印象ですね。

その後、蜷川(幸雄)さんの「シブヤから遠く離れて」(04年)という舞台をやった。難解な本だったんですけど、二宮と勝地(涼)の2人が見事に引っ張っていって「こんなに若いやつらってすごいんだ」って。新しい感性を持った若者たちが登場してきて、本当になんか勉強になるなって。まあ正直勉強にはならないんですけどね、感性だから。まねできないです。芝居の技術面だったら対抗できるけど、感性の部分はそれぞれ。なかなかああいう感覚には普通の人は行けませんよね。二宮は全部取り込んじゃうんだよね。

松本の方が(一緒に)仕事はしているのかな。舞台を2回。最初が「白夜の女騎士」(06年)。(当時)松本はやること成すこと全てうまくいくことが当たり前だと思っていたようで、野田(秀樹)さんの難解な本を前に「人生初めての挫折をしました。僕に芝居を教えて下さい」って言ってきた。2人で発声練習から始めて、体の動き方とかを教えました。芝居の師匠? 神と呼ばれて当然ですよ(笑い)。

最近はないけど、二宮と松本とはプライベートで食事に行ったりしましたね。タイプが違うけど、(芝居の)到達点は2人とも高いところにいますよね。ただ、うちの娘を面倒見てくれるって言ったんだけど何の面倒も見てくれない。口だけでしたね(笑い)。

嵐はいつの間にかすごいグループになっていましたね。彼らはなんかすごく身近な感じがする。年下の人たちからはカリスマなのかもしれないけど、僕らからしたら本当に身近な存在で、そんな人たちが頂点にたどり着いていくっていうすごさは感じますね。

これから嵐は原っぱみたいになるんじゃないですかね。そこに誰でもまた集まって来られて自由に楽しいことをやる。このあり方が美しい。正解だったんじゃないかな。誰も痛みもないし、憎しみもないし。またいつでもそこに2人でもいいし1人でも5人でも4人でも。いいこと言った? じゃあ全部カットで(笑い)。【聞き手=佐藤成】

◆勝村政信(かつむら・まさのぶ)1963年(昭38)7月21日、埼玉県蕨市生まれ。浦和北高卒業後は就職するが、演劇を志して87年に劇団第三舞台入り。92年に退団後はテレビや舞台などで幅広い活動を続ける。20年テレビ朝日系連ドラ「BG~身辺警護人~」など数多くの作品に出演。