トランプ前大統領の長女で元大統領補佐官のイバンカ・トランプさん(39)が、新型コロナウイルスのワクチンを接種したことをSNSで報告した。「本日、接種しました!!!皆さんも接種することをのぞみます」とコメントを添え、ワクチンを接種する自らの写真を投稿した。

AP通信は、イバンカさんは16歳以上の接種が認められているフロリダ州でファイザー製のワクチンを接種したと伝えている。トランプ氏は1月の退任前にメラニア夫人と共に、ひそかにワクチンを接種していたと伝えられているが、トランプ一族の中でワクチン接種を公にしたのはイバンカさんが初めてとなる。

トランプ氏の支持者には反ワクチン派やコロナ懐疑論を持つ人も多いことから、反トランプ派のみならず反ワクチン派らも加わってネットは大荒れとなっている。「1年前はもっと利口だったのに」とイバンカさんがワクチン接種したことを悲しむ声だけでなく、「バイデンに感謝してるってこと?」「2024年の(大統領選)出馬を見据えて?」との批判や、ハリウッドスターのようにワクチン接種を促すプロパガンダに加担するなんて驚きだという声もある。一方、反トランプ派からは、「あなたのことは好きじゃないけど、ワクチン接種したことは正しいわ」といった意見や、「あなたと家族はコロナをデマだと言って民主党を批判してきたせいで、多くのアメリカ人が亡くなったの覚えてる?」といった批判もある。

オバマ氏やブッシュ氏ら存命する4人の歴代大統領はワクチン接種する様子を公開してワクチンに懐疑的な国民に接種を呼びかけるキャンペーンに参加しているが、支持者への配慮からかトランプ氏は参加していなかった。ホワイトハウスを去る前にワクチン接種したことを公表しなかったトランプ氏だが、退任後のFOXニュースとのインタビューでは初めてワクチンを推奨するコメントをし、「接種したくない人や自分に投票してくれた人にも勧めたい」と語っていた。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)