Snow Manの主演舞台「滝沢歌舞伎ZERO 2021」は、開演3週目に緊急事態宣言で中断、その後の緩和措置で最後の5日間の公演を行い、16日、千秋楽を迎えた。手に入れたチケットの日付によって劇場に行けなかったファンもいたわけで、メンバーはさぞや複雑な心境で終演を迎えたと思う。

公演の前にリーダーの岩本照(28)に話を聞く機会があった。デビューがコロナ渦直前の20年1月だったこともあり、「今回の舞台がファンと直接会える初めての機会です。同じハコ(劇場)の中にいるからこそ、感じられる何かをお客さんに放ちたいです」と、その時は強い意欲を明かしていた。

せっかくのチャンスを逃したファンの落胆は大きいだろうが、その思いを知るメンバーの心中も察するにあまりある。

岩本の場合は「シルバニアファミリー」に心の平安を求めているのではないかと思っている。14年の誕生日に滝沢秀明現ジャニーズ事務所副社長から、シルバニアの「駐車場付き家」をプレゼントされたことがきっかけというから、コレクションの歴史は7年に及ぶ。

「最近はちっちゃな忍者シリーズとかも出てきて、筋トレといっしょで終わりがないんです。際限のないところが魅力かもしれませんね」

体脂肪は10%を超えたことがない鍛え抜かれた体とシルバニアは対極のように思えるが、だからこその癒やしなのだろう。

「おもちゃ屋さんに行っても、何回かに1回しかそのコーナーを通らないようにしています。そこを通れば必ず何かしら欲しいものがあるんです。時間をかけて、少しずつそろえていきたいんですね」

この話は際限なく広がっていく。自宅のそれぞれの部屋にジャンル別のコーナーができていて、それを眺めることでほっこりするんだという。

6月2日からは予防対策を講じた上で名古屋・御園座公演が始まる。

岩本にとってシルバニアファミリーとの時間は、公演再開に向けて気持ちを整える貴重なひとときに違いない。【相原斎】