芸能生活50年を超える歌手由紀さおり(74)の初主演映画「ブルーヘブンを君に」(11日公開、秦建日子監督)の公開直前イベントが2日、都内で行われた。世界初の青いバラ「ブルーヘブン」の生みの親である、実在する女性園芸家をモデルに、いくつになっても夢をあきらめない人生の素晴らしさを描く作品。「6・2」が「ローズ」からバラの日とされており、この日のイベント開催となった。

由紀は「公開が1年延期となりショックだったけど、コロナ禍の不安や自粛を思うと、撮影の時は地域のみなさんも参加しわきあいあいなシーンを見ると、公開が遅れたことは必然だったのかもしれない。みんなが寄り添い、助け合うという思いがつまった作品です」。映画初主演には「あーそうなんですね、という感じだった。それより撮影した岐阜に暮らした女性として映画の中にいたい、溶け込みたいと思った。差し入れも多くうれしかった」と話した。

共演の柳ゆり菜(27)は「由紀さんがいるだけで、周りの空気がゆったりとする。そのゾーンに私も入ると穏やかな気持ちになれる。緊張が解けて、由紀さんに甘えられました」。また、BOYS AND MEN小林豊(32)も「甘えさせていただきました」、本田剛文(28)も「包容力にひかれました」とそれぞれ語った。

夢が作品のテーマになっており、由紀は夢について「あとどれくらい生きられるかわからないが、新しい自分に会いたい。まだ自分が知らない自分を知るにはどんな努力をすればいいのでしょうか」。小林は「ボイメンでNHK紅白歌合戦に出たい」、本田は「名古屋に事務所の自社ビルを建てたい」、柳は「野生のイルカと泳ぎたい」と自身の夢を語った。

作品について由紀は「夢を追い続ける楽しさと難しさを教えてくれた作品です。(ロケ地の)岐阜はアユが有名で、それは川の水がきれいだから。みなさんがそれを知っているからゴミがない。この土地は持続可能をすでに意識しています。心優しいメルヘンチックな作品に仕上がっていますので、見ていただきたいです」と話した。