「エレキの神様」ことギタリスト寺内タケシ(てらうち・たけし)さん(本名武=たけし)が18日午後8時37分、器質化肺炎のため横浜市内の病院で亡くなったことが19日、分かった。82歳。葬儀・告別式は近親者のみで執り行い、後日「お別れの会」を予定。喪主は長男章(あきら)さん。

所属レコード会社や関係者によると春先に誤嚥(ごえん)性肺炎で入院。順調に回復してリハビリし、看護師から「テリーさん」と愛称で呼ばれ仲良くするほど元気になった。今月17日の時点で1週間後に退院予定だったが翌日容体が急変。炎症や傷などができることで起きる器質化肺炎となり死去した。同社によると19年4月、神戸でのライブが最後の公の場という。

1962年バンド「寺内タケシとブルージーンズ」結成。卓越した技術でエレキギターの第一人者となった。65年加山雄三主演映画「エレキの若大将」に出演、67年ベートーベン交響曲第5番をエレキギターで演奏した「レッツ・ゴー『運命』」で日本レコード大賞編曲賞を受賞。74年~17年まで全国の高校に出張する「ハイスクールコンサート」を開催した。大腸がんや心不全を患ったこともあったが克服。コロナ禍で中止になったものの昨年12月にもライブを予定していたほど精力的に活動していた。

親交の深い、ギターの製造・販売を行うモズライト株式会社代表取締役岩堀典明氏は日刊スポーツの取材に、入院中の寺内さんの様子について「コロナ禍で対面は出来なかったが、家族とはリモートでコミュニケーションを取っていた」と説明。復帰にも前向きだったといい「生涯現役を地で行くんだと言っていたので、残念です」と語った。