乃木坂46松村沙友理(28)の卒業コンサートが23日、横浜アリーナで開催された。1期生として約10年間、明るいキャラクターと小気味いい関西弁のトークで「さゆりんご」の愛称で親しまれ、グループを盛り上げた功労者だ。グループ全体では1年4カ月ぶりとなった有観客ライブで、笑顔と涙で送り出された。

   ◇   ◇   ◇

りんごとハートが無数に描かれ、赤とピンクに染まったステージで、松村がソロ曲「さ~ゆ~Ready?」を歌った。「乃木坂~踊れ~!」と叫ぶと、他のメンバーたちも一斉に登場。「ガールズルール」を披露し、ファン5000人を魅了した。「これでほんまに終わりって感じがせえへんけど、これが最後やって、ちゃんとかみしめて1曲1曲やらなアカンなって思います」と意気込み、「ウフフ。頑張り、まっちゅん!」と笑顔であいさつ。拍手を浴びた。

ライブは異例の2部構成で行われた。前半は、自らが率いるユニット「さゆりんご軍団」の単独ライブ。「解散ライブ」と銘打ち卒業生も集結したが、パフォーマンスを終えると「さゆりんご軍団は、解散しません! こんなに愛されている軍団が解散するのって、寂しいじゃないですか」と笑顔。伊藤かりん(28)が「皆さん、茶番にお付き合いいただきありがとうございました」と呼び掛けるユーモアたっぷりの演出で盛り上げた。

松村らしい明るくポップな笑顔あふれるライブだったが、中盤以降はしんみりする一幕も。「今、話したい誰かがいる」をデュエットした新内眞衣(29)は、涙で歌の途中で声を詰まらせ、松村と抱き合った。生田絵梨花(24)は松村と3曲デュエット。「いや~まっちゅん、寂しいよ。でも楽しかった!」と身を寄せ合い、笑顔で涙ぐんだ。

7月13日の卒業以降も芸能活動を続ける。トーク力だけでなく、女優として7月スタートのTBS系ドラマ「プロミス・シンデレラ」(火曜午後10時)に出演が決まっているなど、マルチに活躍していきそうだ。「乃木坂も、皆さんのことも本当に大大大、大好きで~す! 以上、さゆりんごでした。ありがとうございまっちゅん! これからも応援よろしくお願いしますね」とあいさつした。【横山慧】

◆松村沙友理(まつむら・さゆり)1992年(平4)8月27日、大阪府生まれ。大阪桐蔭高卒後、浪人中の11年8月、乃木坂46の1期生オーディションに合格。ファッション誌「CanCam」専属モデル。164センチ。血液型B。