ダンサーでタレントのパパイヤ鈴木(54)は6月7日、新型コロナウイルスに感染したと公表した。同日、鈴木の所属事務所は、日刊スポーツの取材に高熱が続いたため入院したことを明らかにし、そのことは広く報じられた。折しも、芸能人のコロナ感染報道の是非が問われ始めており、記者は13日に

「『もう勘弁して』という声…それでも芸能人のコロナ感染を報じる意義とは…」

と題したコラムを発表した。

当該コラムを入院中に読んだという鈴木が、6月21日に退院したことを受けて、コロナ感染を報じた記者と報じられた芸能人が向き合って、芸能人コロナ感染報道について考えた。第1回は、重度の肺炎だったことを含め、鈴木がコロナ感染の実態を明かした。【取材・構成=村上幸将】

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鈴木が体調に異変を感じたのは6月1日ごろだった。

「僕は体調が悪くなると、いつも熱を出すタイプで、2日くらいで引くんです。いつものアレか…と思ったら4、5日、熱が下がらなかった。39度近くあって、なかなか下がらず…でも2回くらい、36・5度くらいまで下がった。なぜか分からない。でも、1時間くらいすると、また熱が上がる。尋常じゃないなと。でも、もしかしたらコロナじゃない、熱が下がったら仕事ができるかも、迷惑かけないで済む、と粘ったのが失敗でした」

まずは自宅で家族から自分を隔離していたが改善しないため、自宅近くの発熱外来を探し、インターネットで予約して5日に受診した結果、陽性が判明した。

「血液検査で、かなり免疫細胞の値が下がっていた。先生にも『相当、ひどい。熱が出た段階で来ないとダメです』と言われました」

保健所と相談して7日に入院し、検査した結果、重症の肺炎だと判明した。

「すぐCTを撮って、肺炎が疑われた。検査したら、かなり重度の肺炎でした。肺炎の経験がなく(症状も)一体、何なのか分かっていなかった。これが、肺炎なのかと…。重症化する恐れがあるのが、怖かった。ひょうひょうとしていたけれど明日、何かあるか分からない、ヤマ場と言われた時もあった。突然、重症化する人もいるので」

肺炎以外に、症状はあったのだろうか?

「味覚障害はなかったですが、食べる欲は全く消えた。ただ単に食欲がない。においは消えないが、食欲が消えた。症状はそれだけです」

治療体制は、どのようなものだったのだろうか?

「3人の先生がチーム作って治療に当たってくださり、1日、1日…その指示通りにしていたら治った。先生方の判断が良かったのでしょうし、僕はタバコを吸わないので、肺が元気だったのも良かった。初めて認可されたという、強い薬を使って、うまくいった。先生の言うとおり、水を飲んで、ご飯を食べて寝るのに集中して良かった。先生達は毎日、毎日、闘っているから、僕ら(患者)は、ご飯しっかり食べて、水を飲んで、寝るだけです」

回復の過程も聞いた

「入院して10日たって、先生から『運動を始めてもいい』と言われた。体力も落ちていたので。筋トレとウオーキングを(入院期間の)残り4、5日でやった。体重が96~97キロあったのが86キロ。今、とても調子が良い。絶好調です。大変だったけれど、体を見直す機会になった。悪いことばかりじゃない。体は、前より良くなったくらいです」

次回は鈴木に、芸能人のコロナ感染報道の意義と、感染したからこそ伝えたい、感染した後に必要な行動について聞く。