「おいしいとメガネが落ちるんですよ」「元気はつらつオロナミンC」のCMで60~70年代に一世を風靡(ふうび)した、喜劇俳優のコンちゃんこと大村崑(89)が10日、都内で27年ぶりの映画出演となる「ロボット修理人のAi(愛)」(田中じゅうこう監督)の初日舞台あいさつに出席した。

土師野隆之介(18)が演じるロボット修理の天才の少年・倫太郎が、依頼されたロボット犬AIBOをめぐって過去と向き合い、発声障がいのある少女・すずめ(緒川佳波=16)らと出会い、絆を育んでいく感動の物語。

謎の老人役の大村は「まだ生きております。ワクチンの注射を2回打って、1年ぶりに新幹線に乗ってまいりました。『東京~』と言われて涙が出ました」と話した。

大村は「役については『なにもしないで、大村崑を出さずに老人でいて、ただ座っていて』と言われました。そして『あなたの存在は全編につながっている』と言われました。家族が成長して1つになっていく素晴らしい物語。この映画を見てスカッとして“元気はつらつ”になってください」。

今年11月に90歳の誕生日を迎える。「オロナミンCのおかげで、90歳でも現役です。喜劇人が300人いましたが、残っているのは伊東四朗(84)と私だけになりました。喜劇人を大事にしましょう」と笑った。

他に金谷ヒデユキ、田中じゅうこう監督が出席した。